
山取 圭澄
YAMADORI KASUMI
外国語学部 ヨーロッパ言語学科 准教授
- 学位
- Dr. phil.(2021年 Universitat Kassel)
- 専門分野
- ドイツの文学と言語思想
研究テーマ
18世紀ドイツの文学と思想
高校生に向けた研究内容の紹介
私が研究しているのは、18世紀ドイツの思想家ヘルダーです。当時のドイツでは、フランスから持ち込まれた最先端の学問や文化がもてはやされていました。それに対し、ヘルダーは文化に優劣をつけることを拒み、各地に息づく文化の多様性に目を向けています。その代表例が「民謡集」です。古代ギリシアからドイツ、バルト三国に至るまで、ヘルダーはあらゆる時代や地域の歌を集めています。自国の文化を再評価するだけでなく、見落とされがちな地域の魅力に光を当てたのです。日本でも外国の方と触れ合う機会が増えてきました。異文化といかに向き合うかが、グローバル化した社会の課題となっています。ヘルダーが示した異文化理解のあり方は、現代社会の指針といえます。
ゼミナール/研究室のテーマ
文学を通してドイツ語圏の言葉と文化を学ぶ
ゼミ/卒業研究の紹介
私のゼミではドイツ語圏の文学を取り上げます。文学作品を読むとは、1つの正解を導き出すことでは決してありません。読む者によって、テキストから受け取るメッセージは大きく異なります。ゼミの仲間との討論を通じて、テキストを多角的に捉えていきます。文学作品の講読と併行して、ゼミ生は個々の興味に応じてテーマを設定し、ドイツ語圏の文化や社会について研究します。その成果をプレゼンやレポートにまとめることで、自分の考えを伝える力や批判的に考える力を養うことができます。
プロフィール
京都生まれ、奈良育ち。ドイツ南部のミュンヘン、東部のハレ、中部のカッセルにも住んでいました。小学生の頃は近所の野山で走り回っていましたが、中高生になると、徐々に本や勉強にも関心が向くようになりました。クラシック音楽と美味しいビールには目がありません。ドイツの街には、それぞれ自慢のオーケストラやビールがあります。コンサートに出かけ、帰りにビールを飲むのが、ドイツでの1番の楽しみです。
高校生へのメッセージ
ドイツ語はどこで話されているか、ご存知でしょうか? 実は、ドイツ以外にも、オーストリアやスイス、ルクセンブルクやベルギーなどでも使われています。ドイツ語を習得すると、様々な国の方と話せるようになるのです。加えて、ドイツ語圏には多くの文化遺産があります。ゲーテやカフカの文学、モーツァルトやベートーヴェンの音楽などは、その一例です。それらを手がかりにして、ヨーロッパの社会や歴史をより深く理解できます。