内田 健一

UCHIDA KENICHI
外国語学部 ヨーロッパ言語学科 准教授
学位
修士(文学)
専門分野
イタリア文学

研究テーマ

近代国家イタリアと文学者ダンヌンツィオ

高校生に向けた研究内容の紹介

1861年に統一したイタリアで花開いた国民文学、その中で特に人気が高かったのはダンヌンツィオです。彼は詩や小説を書いただけではなく、ファッション・リーダーとして多くの追随者を生み出し、現代イタリアの洗練されたライフ・スタイルの元祖となりました。そして、メディアを巧みに操って大衆を動かした彼の手法は、ファシズムに大きな影響を与えました。人間の本質を抉り出す彼の作品は、複雑な現代社会を読み解く鍵にもなります。

ゼミナール/研究室のテーマ

世界遺産からイタリアの諸相を探る

ゼミ/卒業研究の紹介

ユネスコの世界遺産リストに登録されたイタリアの文化・自然遺産は世界最多を誇ります。それらは歴史的にも地理的にも幅広く分布し、まさに多様性の国イタリアの美の代表です。古代ローマの遺跡群、ルネサンスの都市景観、近代の産業遺産、半島を縦走するアペニン山脈、地中海に浮かぶ大小の島々。その普遍的価値を知り、保護・保全に伴う問題について考えることは、将来、地球市民として生きていくための大切なヒントになるでしょう。

プロフィール

大阪出身なので、お笑いの文化が心に根付いています。お笑いと言っても様々で、私が好きなのは、やはり言葉を巧みに操るもの。それが文学や語学の道に進んだ理由の一つだと思います。その一方で、芸術全般が好きで、学生時代はバンドをしたり、劇団に関わったり。芸術の国イタリアに引き寄せられたのは、必然だったのでしょう。二つの覇権都市、ヴェネツィアとローマに留学し、グローバルかつローカルな知性を養いました。

高校生へのメッセージ

ときどき私は大学に徒歩や自転車で来ます。エコで、運動にもなり、そして上賀茂の移ろう四季の風情を身近に感じられます。また学内では、エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使うようにしています。一歩一歩、自力で進むこと。これは学業にも通じています。ぜひとも若い皆さんは、爽やかな汗を輝かせながら、駆け抜けてください! Chi più conosce più ama, e più amando più gusta. 知れば知るほど好きになり、好きになるほど楽しくなる。