
岩﨑 周一
IWASAKI SHUICHI
外国語学部 ヨーロッパ言語学科 教授
- 学位
- 社会学博士(一橋大学)
- 専門分野
- 近世ヨーロッパ史(ハプスブルク君主国史)
研究テーマ
近世ハプスブルク君主国史
高校生に向けた研究内容の紹介
近世(16-18世紀)のハプスブルク君主国について、君主と「諸身分」の関係に注目して研究しています。「諸身分」という言葉は耳慣れないでしょうが、高位聖職者や貴族など、身分制議会に出席する資格を持つ特権的有力者の団体で、イギリスにおける「議会」、フランスにおける「三部会」に相当します。彼らは中近世のヨーロッパにおいて君主と共に国政を司り、今日の議会政治の先駆となった重要な存在でした。
ゼミナール/研究室のテーマ
ヨーロッパの歴史・社会・文化
ゼミ/卒業研究の紹介
私の研究演習(ゼミ)のテーマは「ヨーロッパの歴史・社会・文化」で、主な課題は、1)このテーマに関する(日本語)文献や視聴覚資料を題材としての討論・発表、2)ゼミ論文(五千字以上、各学期ごとに提出)の作成です。ヨーロッパ言語学科所属の専攻なら、ドイツ語専攻以外でも参加可能なので、言語の枠を超えた学びが体験できます。ただその一方、ゼミ論文の不提出者や(無断)欠席者には単位を認めないので、適度な緊張感も保たれています。
プロフィール
出生地は東京(中野)ですが、千葉、山梨、東京(国立)と移り住み、2012年4月から京都在住です。また、冷戦期の1984年に西ドイツで一年を過ごしたことは、ひろく世界に目を向け、ヨーロッパの歴史と文化に興味を抱く重要な契機となりました。院生時代にオーストリアの首都ウィーンで二年の留学生活を送ったことも、忘れがたい思い出です。このように複数の国・地域で暮らした経験は、今の私のパーソナリティにも影響しているように思います。
高校生へのメッセージ
現代世界では、さまざまな国・組織・勢力が割拠して関係し合う「多極化」が進行しています。ですから英語のみならず、英語以外の外国語能力、そして確かで幅広い教養を身につけ、現実世界の多言語・多文化的状況に対応する能力を育むことは、とても重要です。世界の中で重要な役割を担っているドイツ(語)を切り口として、世界に目を向けようとする人たちとの出会いを、楽しみにしています。