研究テーマ
言語とアイデンティティ
高校生に向けた研究内容の紹介
私たちは、日常生活の中で、服装や、趣味、嗜好、話し方など、様々な形で自分が何者であるかを表現しています。しかし、私たちが「何者であるか」は固定されたものではなく、両親の前では「娘/息子」になったり、飲み会に参加すれば「盛り上げ役」になったり、海外に行けば「日本人」になったりと言ったように、他者との関係や社会的なコンテクストの中で構築されていくものです。そのようにアイデンティティを構築するうえで「言葉」が果たす役割について研究をしています。
ゼミナール/研究室のテーマ
異文化コミュニケーション
言葉と意味-「人」と「豚」。その言葉の境界線とは?
言葉が持つ意味について研究しています。「日本人」「女」「男」「楽しい」「悲しい」……世の中には当たり前のように使う言葉があふれていますが、それが具体的に何を指しているのか考えてみたことはありますか?
例えば「人」という言葉。どんな条件を満たせば「人」なのかをディスカッションしていきます。もし、人間の鼻や耳が豚と同じ形になったら、それは「人」ではなく「豚」なのか? 逆に、姿形が豚そのものでも人と同じ言語を喋っていたとしたら? さまざまな角度から「人」という言葉について考え、その境界線がどこにあるのかを探っていきます。
私たちが生きている世界は、言葉を通して作られています。「自由」「平等」など聞こえのいい言葉は世界共通でよく使われますが、その意味は受け取る立場によってさまざま。言葉の意味に注目して考えを巡らせることで、世の中で起こっている出来事や議論についても自分なりの結論が導き出せるようになるはずです。「言葉ってなんだろう?」そんなシンプルな疑問を持てる人にとっては、研究しがいのあるテーマだと思います。
ゼミ/卒業研究の紹介
世の中には「お金」や「結婚」など、自然科学の知見では十分に説明しきれない「社会的な事実」が存在します。ゼミでは、そのような事実が「言葉」を通してどのように構築されるのかについて学んでいきます。
プロフィール
今まで日本、アメリカ、オーストラリアの3カ国で暮らしてきました。そのような経緯もあって、人が国境を越えて移動したり接触したりする中で生じるコミュニケーションに興味があります。でも、飛行機での移動は苦手です。オーストラリアでは、NAATI(オーストラリア翻訳者通訳者認定機関)認定の翻訳者・通訳者としても活動をしていました。
高校生へのメッセージ
みなさんと交流できるのを楽しみにしています。