
澤井 志保
- 学位
- 学術博士(東京外国語大学)/ Master of Asian Studies (The University of Melbourne, Australia)
- 専門分野
インドネシア語文学、東南アジア地域研究、国際移住労働研究
研究テーマ
東南アジアと東アジア間の移住労働
国際移住家事労働者による社会運動
インドネシア語文学
高校生に向けた研究内容の紹介
近年、東南アジアから東アジアへの新たな人の流れが出現しています。日本においても、東南アジアから旅行や留学、就労のためにやってきた多くの人を受け入れていますね。つまり、日本人にとって東南アジアの人は、もはや書物や博物館の中だけで出会うものではなく、日常生活の中で共存すべき、リアルな隣人となりつつあります。東南アジアの人が周りにいれば、東南アジアの文化についても私たちが理解する機会は増えますね。そうなると、私たちは東南アジアの人たちとどんな関係性を取り結ぶべきなのでしょうか。仲良しこよしの関係?ライバル関係?それとも、つかず離れずの関係?答えはそう簡単には出ませんね。
東南アジアの人たちと一緒に、私たちはどのような日本の未来を思い描けるのでしょうか。また東南アジアの人が増えることで、どのように日本文化と社会がバージョンアップしていけるのでしょうか。このような問いを踏まえて私は、東南アジアから東アジアへの人の流れが生み出す、「新たなつながり方」を日本、香港、インドネシアの視点から研究してきました。学生時代には、香港で働くインドネシア人家事労働者による文化活動について調査し、香港でいわゆるお手伝いさんとして働くインドネシア人の女性が休日に行うグループ活動が、スキルアップやネットワーキングを実現するために活用されている状況を考察しました。現在は、これらの女性がインドネシアに帰還したあと、新たな挑戦として行う起業活動を通して生み出される、地域社会や家庭内での新たな「つながり」が、インドネシア社会を変革していく可能性について研究しています。
ゼミナール/研究室のテーマ
東南アジアと東アジアの新しいつながり方
ゼミ/卒業研究の紹介
東南アジアと東アジアとのつながりについてなら何でも
「インドネシアのLGBTQ」
「インドネシアの下水処理とバイオトイレ」
「インドネシアの高齢者ケアにも使える、プラごみを出さないエコパッド」
プロフィール
オーストラリア・メルボルン大学大学院アジア研究科修士課程修了、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。大学学部時代はインドネシア、大学院修士課程ではオーストラリア、博士課程にはインドネシア、香港、シンガポール、アメリカにて調査研究する機会がありました。
高校生へのメッセージ
現在、東アジアでも東南アジアでも、大学生であればまず英語で自分の意見が表現できることが常識となってきています。つまり、アジアの地域言語を話せるのは大きな強みになりますが、多様なアジアの人たちと協働するためには、国際共通語としての英語を使って意見交換できることもまた必須条件なのです。ですから、本専攻で学ぶみなさんとは、アジア言語に加えて英語でコミュニケーションを取る練習をしていきたいですね。インドネシアの人たちも英語が上手です。授業の中でもYouTubeやSNS、Zoomミーティングなどを活用してみなさんがインドネシア人とつながる後押しをします。楽しみながらインドネシア語と英語力を両方、向上させていきましょう。