
研究テーマ
中国書籍史、日本漢籍受容史、日中関係史
高校生に向けた研究内容の紹介
漢籍に関連することがらを研究しています。漢籍とは、清末以前の中国で著された書籍をいいます。孔子(前552~前479)の時代すでに書籍はあったようで、それから2500年間、中国では膨大な書籍が著され続けてきました。漢籍は中国の周辺諸国に輸出され、大きな影響をあたえました。日本もその例外ではありません。近代以前の日中間の人の行き来は非常に低調でしたが、そのかわり日本人は熱心に漢籍を輸入し中国文化の接収に努めています。その歴史的研究も行っています。
ゼミナール/研究室のテーマ
論文を書こう!
ゼミ/卒業研究の紹介
私のゼミのテーマは「論文を書こう――中国近代史の諸問題」です。1年をかけて12000字以上のゼミ論文を作成します。ゼミのテーマに「中国近代史」を掲げていますが、これ以外のテーマでも構いません。論文とは、論理で相手を説得する技法です。感情ではなく論理というのがミソ。伝えたい主張を明快に設定し、確かな根拠を集め、論理的に配置して、自分の主張の正しさを示す。その技術を、実際に論文を書くという経験を通して獲得することを目指します。
プロフィール
兵庫県北部の寺に長男として生まれました。いまは父の後を継いで住職をしています。古いものに囲まれて育ったせいか、歴史に興味を持つようになりました。小学校の高学年のころ、将来は中国史の研究者になろうと思い定めていたようです。趣味といえば、論文書きとクラシック音楽の鑑賞でしょうか。後者は中学時代から好きで聴いていましたから、それなりにマニアです。エピキュリアンとしては好きなことをして日々を過ごしたいと思っています。
高校生へのメッセージ
「すべての歴史は現代史である」という言葉があります。いまのありさまが過去の蓄積に外ならないことを突いた名言です。現代はグローバル化と呼ばれる、世界の一体化が進行中です。我々は否応なく、自分とは異なる文化や価値観を持つ人々や社会を理解する必要に迫られています。歴史の勉強は、異文化を理解する手掛かりを得ることに外なりません。我々とどう違うのか、なぜ違うのか、それは歴史の違いに由来する点が多いからです。いまを生きるためにも歴史を学びましょう。