
研究テーマ
空海の思想と密教美術
高校生に向けた研究内容の紹介
空海は、密教の奥深い教えを示すには文字だけでなく、絵画や彫刻といった視覚表現が必要であると述べています。こうした空海の考え方に基づいて制作された密教美術に秘められた思想や祈りとは、どのようなものだったのでしょうか? このような問題意識から、密教美術が生み出された歴史的・文化的背景や儀礼における宗教的機能について探究しています。仏画・仏像の本来の意味や機能を解き明かすことで、新たな仏教美術史研究の地平を切り開きます。


ゼミ/卒業研究の紹介
ゼミでは、古代から近代の絵画・彫刻・工芸を対象として、日本美術史に関する専門知識や研究方法を基礎から学びます。美術史学は、作品の詳細な観察を出発点とする学問。ゼミでも京都を中心に関西の美術館・博物館や神社仏閣へ見学に行き、実際にホンモノを見て考えることを大切にしています。事前に調べた知識とフィールドワークの実践を結びつけ、作品から歴史や文化の痕跡を読み解く喜びは格別です!
プロフィール
1986年秋田県生まれ。15歳の春に家族旅行で京都・奈良の寺院を訪れ、お堂の中に佇む古仏を観て「これだ!」と仏像の研究を志しました。高校の日本史の先生に相談すると、日本彫刻史を専門とする研究者がいる全国の大学を調べて下さいました。寺院や仏像がたくさん残る京都で学びたいという思いから、京都大学文学部に進学。学生時代は友人や先輩方と美術館・博物館や神社仏閣を巡り、朝まで飲み明かす楽しい日々でした!
高校生へのメッセージ
日本美術史を代表する数多くの名品(仏像・神像・仏画・絵巻・肖像画・水墨画・近世絵画等)が現存する京都では、ホンモノを見てそこから様々な情報を引き出し、“生きた知識”を身につけることができます。日本美術が好きな方はもちろん、鑑賞の方法がわからないという方も大歓迎です!日本文化の集積地である京都で、見る感動、知る喜び、探究する愉しさを味わい、日本美術の豊かな世界への扉を開いてみませんか?