笹部 昌利

SASABE MASATOSHI
文化学部 京都文化学科 准教授
学位
博士(文学)
専門分野
幕末維新政治史、日本近代史

研究テーマ

幕末維新政治史・近代日本の地域社会史

高校生に向けた研究内容の紹介

①幕末・維新期の大名家における政治意思決定についての研究。鳥取藩池田家、薩摩藩島津家、土佐藩山内家をおもな対象とし、社会変革の主導性や対応性について考察しています。
②幕末の「志士」に関する歴史認識についての研究。幕末という時代を生きた人間への肯定的評価に対する再考察をおこなっています。有名な坂本龍馬や新選組土方歳三なども研究対象です。
③近代日本の地域社会についての研究。地域に所在する古文書を解読し、明治・大正期の地域社会のありようについて考えています。論点は政治行政・軍事・教育・文化と多岐に及び、自身が関わる市町村史編纂事業に活かされています。

ゼミナール/研究室のテーマ

日本近世・近代史の研究

幕末維新を生きた人物のリアルを捉える

日本近世・近代史、特に幕末維新期の政治・社会を対象とした研究を行っています。幕末維新期の日本で起こった事件や人物の動向を、研究論文や史料をひもといて考察し、さらに現地調査を行うことで、対象を多角的に捉える研究ができるようになることを目指しています。新選組や坂本龍馬といった歴史的に有名な人物もその対象となります。日記や書状を解読して得られる人物像と、小説やドラマでできあがったイメージは明らかに異なります。史料に正面から向き合い考察することで、リアルな人物像を浮かび上がらせる面白さを体験することが、このゼミならではの醍醐味といえます。
さらに、新選組という存在が現代社会のコンテンツとして生きているのか、京都の街中で現地調査を行い、学生による新たな活用方法の検討を進めたいと思っています。

ゼミ/卒業研究の紹介

2年次の京都文化基礎演習では、幕末維新期の日本において起こった事柄を、テキストや研究論文などを用いて調査し、さらには現地調査をおこなうことを通じて、考察対象を多角的に捉える研究ができるようになることを目指します。京都を学びの拠点としているわたしたちの身の回りには、考えるべき歴史がたくさんあります。たとえば、坂本龍馬が政治活動の拠点とした木屋町にも、近藤勇ら新選組が屯所として活用した壬生にも、すぐに赴いて調べることができるからです。3年、4年次の京都文化演習では、2年次の気づきや発見を活かして、歴史学研究に取り組みます。

プロフィール

私は1971年に京都市に生まれ、1995年に京都産業大学経済学部を卒業しました。プロレスと阪神タイガースと京都サンガとロックンロール、そして母校“産大”を愛する歴史研究者です。歴史学に大いなる関心を抱き、たくさんの本を読み漁りながら、ロックバンドに興じた学生時代を京都で過ごしました。現在は、週末も講演をしたり執筆をしたりしていますので、休みという休みはありませんが、愛犬と散歩しているとき、好きなお酒を嗜んでいるときが、この上ない至福のひと時です。

高校生へのメッセージ

歴史を学ぶということは、物事の本質を深く考え、明らかにしていく作業であると考えます。情報過多の現代社会において、いったい何が真実なのかを問うために、歴史学は不可欠な学びです。過去に生じた事象を、歴史資料を読み解くことによって考察し、教科書などによって説明づけられた「常識」を批判し、自説を提起すること。そして、自らの歴史観によって、現代社会のありかたを捉えなおすこと。これがまさに、歴史を学ぶ醍醐味といえるでしょう。私もいまだ学問の道の途中にいます。ともに学びましょう。