ペレッキア ディエゴ

PELLECCHIA DIEGO
文化学部 京都文化学科 准教授
学位
博士(演劇学)
専門分野
日本伝統芸能(能楽)、演劇学 Japanese traditional performing arts (nogaku); theatre studies.

研究テーマ

能の実践と受容

高校生に向けた研究内容の紹介

能は現代に生きる伝統芸能です。その物語や美的価値は過去に由来しますが、途絶えることなく伝承され、時代に合わせて進化してきました。現代において、能はどのように上演され、鑑賞されているのでしょうか。本研究は、演技様式のみならず、プロと観客、アマチュアとの関係も考察しています。さらに、海外での公演が日本国内の公演とどのように異なるかも探ります。つまり、日本の古典文化の現代的価値とその国際的な発信について考察を促すものです。

ゼミナール/研究室のテーマ

Researching Kyoto Culture in English

京都の伝統的パフォーマンスを分析する

伝統芸能やイベント、儀式など、京都で行われるさまざまなパフォーマンス形態について研究を行います。このゼミのテーマである 「パフォーマンス・スタディーズ」とは演劇学と人類学が交わった学問分野。歴史的な祭事から、結婚式や野球の試合といったイベントまで、特に人間の身体表現を伴うパフォーマンスが学びの対象となります。 例えば「能楽」を鑑賞し、上演分析を行うと、演者がかける能面の役割やどのように使い分けているのかなど、そこに宿る「意味」が見えてきます。その他にも、京都の伝統織物の資料館や歴史的文化財などで積極的にフィールドワークを実施し、パフォーマンスの現場で観察・分析を行うことで、背景にある伝統や社会の成り立ちをひもとき、多様な視点を身に付けていきます。

ゼミ/卒業研究の紹介

私のセミでは、京都文化について英語で調査・体験・議論します。「京都文化」とは何でしょうか。また、何がその独自性を生み出しているのでしょうか。この文化は日本国内と海外で異なる捉え方をされているのでしょうか。日本文化についての知識がない海外の人々に対して、どのように京都文化を伝えるべきでしょうか。英語で京都文化を説明する際には、どのようなアプローチが適切でしょうか。こうした疑問に答えるために、伝統的側面と現代的側面の両方から京都文化を探っていきます。

プロフィール

自然や歴史・文化が豊かなイタリアで生まれ育ち、学生時代に文学、映画、演劇に魅了される中で日本の伝統芸能、特に能に出会い、真剣に学び始めました。ロンドンで博士号を取得し、多文化が交差する環境で世界各地の芸術に触れたことが、現在の職業に至る大きな一歩となりました。2012年には能の研究と稽古をさらに深めるために日本に移住しました。2020年にはシテ方金剛流師範免許を取得しました。能の稽古に加え、美術展や演劇鑑賞、映画鑑賞、そして旅行も楽しんでいます。

高校生へのメッセージ

大学生になると、ついに自分の好きなことに自由に取り組める時が訪れます。その一方で、その自由を有効に活用する責任も伴います。この大切な時期に、勉強、部活動、アルバイト、旅行など幅広くさまざまなことに挑戦してみてください。そして、その中心となる場所が京都産業大学です。文化財や文化イベントが豊富な京都での経験を、ぜひ授業でシェアしてもらいたいです。私が研究している「能楽」も、京都の多様な文化、文学、歴史、宗教、音楽、舞、工芸などを学ぶ良いきっかけとなります。学割を活用して、ぜひ能楽堂にも足を運んでください!