
研究テーマ
観光社会学、京都サブカルチャー観光論
高校生に向けた研究内容の紹介
大学では観光農場やグリーンツーリズムなどをテーマに卒論を書きました。それに端を発して、パワースポット巡りやアニメ聖地巡礼など、観光と趣味に関する文化研究、特にサブカルチャーなどに関連する観光の研究を続けています。近年では、京都の観光スポットである東山地域や伏見などをフィールドに、オーバーツーリズム問題を解消しつつ、コンテンツツーリズムを推奨する立場から、工学や生物学などの理系の先生方とも研究協力しつつ、文系と理系の両方の立場から「より良い観光のあり方」を検討しています。
ゼミナール/研究室のテーマ
こんにちの京都の観光を質的調査して奥深くまで考えてみる
ゼミ/卒業研究の紹介
私自身が社会学の物の見方をするため、そのような視点を養ってもらおうと、観光の現場で「質的調査」を行ってもらっています。「質的調査」とは、アンケートなど数字で測る「量的調査」ではなく、世の中をじっくりと観察し、地域を見て回り(フィールドワーク)、地域の人々から話を聞き出し(インタビュー)、その人たちの輪に入っていったり(参与観察)してもらいます。そうすることで、世の中でよく言われているようなこととは異なる、思わぬ「本当のすがた」が見えてきたりするものなのです。
プロフィール
1983年京都市生まれ。名古屋大学農学部卒業、関西大学大学院社会学研究科修士課程修了、甲南大学大学院人文科学研究科応用社会学専攻博士後期課程単位取得満期退学。もともと理系で、大学院の時にいったん農学の道に進むも、その時の指導教員の先生から、「君は物の見方や考え方が社会学に近い。一度社会学の教育を受けたほうが良い」とアドバイスをもらっていわゆる「文転」しました。結果として、その先生唯一の「文系の弟子」となりました。若い頃の「回り道」というのは、人生にとって案外必要なものなのかもしれません。
高校生へのメッセージ
世の中のありとあらゆる物事に、良い側面と悪い側面が存在します。それに気が付けるようになれば、おそらくあなたは少し生きやすくなり、少し大人になるでしょう。どうすればそのようなことを気が付けるようになるか?そのためには常に考え続けること、他の人からの情報を鵜呑みにしたりせず、確認と検証を自分で行うこと、常に「もう一歩深く考えられないか」、「別の視点から考えられないか」と考え続けることです。この視点は、自分自身とに別の考え方をする視点を養うことになり、ひいては「他者の尊重」「多様性の尊重」「寛容の精神」を育むことになります。