竹内 茂夫
TAKEUCHI SHIGEO
文化学部 国際文化学科 教授
- 学位
- 文学修士(言語学)
- 専門分野
- 旧約聖書ヘブライ語を中心としたセム語学、旧約聖書学、初期バロック音楽
研究テーマ
ヘブライ語言語学、旧約聖書とその周辺の音楽、17世紀音楽の実践と研究
高校生に向けた研究内容の紹介
旧約聖書の原語であるヘブライ語で聖書を読むと、日本語聖書は訳さざるを得ないのでまったく違いますし、特に音楽関係でまだまだ解明されていない用語に取り組んでいます。一方で、バロック音楽の中でも「初期」と言われる戦争や病気が多かった17世紀の音楽もまだまだ演奏されておらず不明な点も多く、演奏するために当時の演奏習慣を研究しつつキタローネ(テオルボ)と17世紀リコーダーで演奏実践を行っています。
ゼミナール/研究室のテーマ
西洋の中世・ルネサンス音楽を学びつつ、音楽のあり方、宗教と社会を見る
[ヨーロッパ古楽から見る西洋史]
音楽を軸に宗教や歴史などにアプローチ。楽器を演奏する「笛ゼミ」の側面も
1750年以前の「古楽」と呼ばれる欧州音楽の歴史に関する文献を読みながら、音楽を中心に文化、宗教、政治、歴史の考察も深めます。2017年に宗教改革500周年を迎えたルターは歌や楽器が上手だったことなど、音楽から世界史のさまざまな出来事を見ることで、 これまでとは違った側面が浮かび上がるのが、この研究の面白いところです。当時の音楽について単に研究するだけでなく、実際に歌や楽器を使って演奏し、そこに込められた想いを理解するようにしています。「笛ゼミ」と呼ばれるのは、私自身もリコーダーやバロック・ギターなどを一緒に演奏するためで、学内での演奏も行ってこの研究の面白さを広めています。
「笛ゼミ演奏会」の様子。未経験者も簡単な楽器を手がけるなど、「全員参加で楽しみながら」がモットー
ゼミ/卒業研究の紹介
「笛ゼミ」と学生が名付けたゼミでは、2回生ではバロック音楽(1600~1750)を、3回生では中世・ルネサンス音楽(~1600)を学び、テキストを分担してPowerPointでまとめて発表し、他のゼミ生からの質問もわからなくてもともかく答えることを通して、PCでのプレゼンとコミュニケーション力を養っています。12月にはゼミ生ができる楽器や歌で17世紀音楽を発表する「笛ゼミ演奏会」を行っています。
プロフィール
両親が東京と福岡出身の愛知県生まれで、私自身も18歳以降は関西、関東、関西と引っ越しを重ねて、日本の中での異文化や諸方言に触れてきました。幼少期からオルガン、エレクトーンを習い、高校からギター、ベース、シンセサイザーでバンドを、吹奏楽部ではサックスやトロンボーン、先輩と一緒にリコーダー合奏してから18世紀以前の古楽に興味を持ち大人になって演奏するようになったので、雑種の強さがあると思っています。
高校生へのメッセージ
外国語で書かれた文章は今はAIで簡単に日本語になりますが、本当の意味を知るには料理と同じで原語の文法や語彙を自分で身に着けて取り組まないとわかりません。音楽でもネットの動画や演奏をコピーするだけでは単なる真似なので、それを成り立たせる音楽理論を知って分析して初めてわかることが多々あり、自分のものとして演奏することができます。普段見聞きする物事の背後にあるものを知ることが人文学です。