
研究テーマ
唐代史・中央ユーラシア史
高校生に向けた研究内容の紹介
唐では、宮廷の皇后や公主などの女性、宦官、「胡人」と呼ばれる外来人、仏教の僧尼らが活躍しました。しかし、政治の主たる舞台は男性官僚を中心とする世界で、儒教的な価値観が支配していました。そのため、これらの人々は「周縁」とみなされ、歴史的な評価は芳しくありませんでした。私は、この「周縁」とみなされてきた人々に着目し、従来の唐代史像の見直しを行いたいと考えています。
ゼミナール/研究室のテーマ
唐帝国を再考するー外来宗教・外来人の視点からー
ゼミ/卒業研究の紹介
奈良や京都には、「中国」伝来の文物が多く残されています。しかし、「中国」といっても、そこにはインドやイランの要素のほか、ユーラシア北方の遊牧文化の要素を色濃く残すものもあります。これは、「中国」の文化がユーラシア各地の歴史と深く関わりながら形成されてきた極めて多様なものであるからです。ゼミでは、「国境」や「民族」の枠を超えて、歴史や宗教、文化などの視点から「中国」を再考し、理解を深めることを目指しています。
プロフィール
中学生のとき、砂漠の中のオアシス都市、敦煌を映像で見て衝撃を受けました。自然環境、都市のあり方、人々や文化の多様性、そこで育まれた宗教や芸術、すべてが自分が暮らす日本とは大きく違っていました。そして、その文化の影響はシルクロードを通じてはるか日本にも及んでいたのです。こうして、ユーラシア大陸で育まれてきた中国の歴史や文化に興味を持つようになり、今に至っています。
高校生へのメッセージ
「常識」とされている価値観は、ときに自分を固く縛りつけることがあります。しかし、学問を通じてその成り立ちや背景を解明することで、当たり前だと思っていた「常識」から自分を解き放つことができます。大学での学びは、意味ある人生を生きるために必要な知的な土台を築くものです。自分の意志で積極的に学問に取り組むことで、人生を豊かにし、精神の自立へとつながることを願っています。