中野 永子

NAKANO EIKO
文化学部 国際文化学科 准教授
学位
博士(英語文学、 PhD in English Studies)(スターリング大学、University of Stirling、UK)
専門分野
英語文学

研究テーマ

イギリスを中心とする地域のモダニズム文学

高校生に向けた研究内容の紹介

20世紀前半にイギリスで発表された文学作品を主な研究対象としています。その時代は、二度の世界大戦が起こった激動の時代でした。科学技術が進歩したり、哲学や生物学などの学問の諸分野が発展したりした影響もあり、人々の間で時間というもののとらえ方や命に対する考え方が大きく複雑に変わっていった時代でもありました。このような様々な要因に着目しながら、当時の作家たちが模索した独自の表現を分析しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

イギリスの小説:「発見」を伝えるための文学研究

私の専門は、英語文学。英語で書かれた文学のことです。このゼミでは、学生が多様なものの見方に気づくことを重要な目標としています。その方法のひとつが「比較」。例えば、同じ作品を読んだとしても、一人ひとりが違った受け取り方をします。ゼミでは、学生同士で自分の解釈を発表し合い、共通しているところ、異なっているところに着目してディスカッションをします。英語文学は、歴史や思想などの多くの学問分野や世界各地の文化と強く結びついており、さまざまなアプローチができる分野です。自分だけの読み方にとらわれず、多様な視点と出会うことで、新しい読み方、新しい考え方を見つけられる力が身についていきます。このゼミで思考力に磨きをかけて、社会に出て時代が変わっていっても、変化に対応し新しい考え方でものごとと向き合える、「一生考え続ける人」へ成長してほしいと思います。

メッセージ

このゼミにはいろいろな人が集まってきます。文学が好きな人、イギリスに興味がある人、留学したい人、教員になりたい人。何かひとつにでも興味があれば、そこから関心が広がっていきます。多様な文化について学べる国際文化学科で、あなたの関心を自由に、大きく広げていってください。

ほかの人に伝わるように根拠を挙げて論理的に説明しようと励む学生たち

文学研究をきっかけに英語にも興味を持ち始めた学生も多い

ゼミ/卒業研究の紹介

3年次春学期には、「フィクションが描く個人と社会」をテーマに英語圏の小説を全ゼミ生共通の話題として扱います。3年次秋学期からの卒業研究では、各自の関心に応じて、文学作品に限らず、映像作品や絵画作品などを分析の対象とすることができます。時代、地域、分野やジャンルを問わず、芸術を研究するためのゼミです。各ゼミ生は自ら課題を見つけてオリジナリティーのある研究を進めていくことを目指しています。

プロフィール

東京出身です。高校の恩師との出会いをきっかけに英語で書かれた文学作品に興味を持つようになりました。大学(学部)の卒論ではアメリカの作家について考察しましたが、大学院進学以降はイギリスを中心とする地域の文学を専門としてきました。スコットランドのスターリングという美しい古都で研究者としての修業時代を過ごした後、京都産業大学文化学部で文学の科目を担当してきました。

高校生へのメッセージ

皆さんのこれからの長い人生の中で、時代は常に変わり続けていきます。重要なのは、一生学び続けていくことです。大学というところは、卒業後も一生学び続ける人、一生考え続ける人になるためのトレーニングの場です。文学、芸術、歴史、思想は、自分の頭でじっくり考える練習をするのに適した学問分野です。いずれも京都産業大学文化学部国際文化学科で学ぶことができます。