中西 佳世子

NAKANISHI KAYOKO
文化学部 国際文化学科 教授
学位
博士(人間・環境学)
専門分野
19世紀アメリカ文学、アメリカ文化

研究テーマ

19世紀アメリカ文学、ナサニエル・ホーソーン、日本開国とアメリカン・ルネサンス、ミンストレル・ショー

高校生に向けた研究内容の紹介

19世紀アメリカ文学の隆盛期をアメリカン・ルネサンスと称しますが、これはマシュー・C・ペリーによる日本開国と同時期で、ペリーは作家ホーソーンを訪ね、日本遠征記録の編纂を打診しました。研究では、ナサニエル・ホーソーン作品におけるキリスト教的テーマや文学技法、そしてアメリカの海外進出に「文化兵器」として用いられた、黒人に扮した白人が演じるミンストレル・ショーなどに注目し、19世紀中葉の文学と異文化交流について分析を行っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

文学作品の読解と研究

文学作品への理解を深め 説得力のある日本語を修得する

ゼミの最終段階では学生が書いた論文を製本し、基礎演習論集にまとめる。

「正しく説得力のある日本語」を書けるようになることが、このゼミの最終的な目的です。 ゼミに参加する学生には、まず自分が好きな文学作品を口頭で紹介してもらい、ゼミ内でどの本が一番読みたくなったかを競う「ビブリオバトル」に挑戦してもらいます。次は実際に、その本について書評を書いてもらいます。すると表現手段は「話し言葉」から「文字」へ。一つの作品をさまざまな視点から捉えるうち、情報を受け取る側である「聞き手、読み手」に意識が向けられ、文学作品への理解も深まります。 表現したい内容やそれを伝える対象が明確になると、学生が扱う日本語の質がグンと変わります。このように文学作品を通して感性を磨き、説得力のある日本語とは何か、そのために必要な考え方とは何かを学んでいきます。

ゼミ/卒業研究の紹介

中西ゼミでは文学作品研究を行います。作品を楽しむということが大切であることは言うまでもありませんが、文学作品研究では、より客観的にテキストを分析し、作家が用いている創作技法や時代背景・思想などに注目し、その作品のテーマの洞察を深めます。本ゼミでは、主に英語圏の文学作品を題材としたビブリオバトル、ディスカッション、書評や論文執筆を通して、文学的感性を磨き、問題意識を高め、複眼的な視点を養い、説得力のある論理的な文章で自分の考えを表現する力を身につけます。

プロフィール

大阪府出身。音楽が好きで、高校生のころは吹奏楽部に所属してコンクールやアンサンブルコンテストに一生懸命になっていました。今は仕事や研究の合間にピアノを弾くのが趣味です。普段はアメリカ文学などの研究関連の本を読むことが多いですが、ゼミのみなさんがビブリオバトルや論文の対象に選んでくる本を読み、自分では選びそうにない本の面白さを発見したり、その本を選んだ学生さんの感性に触れたりするのが、毎年の楽しみのひとつとなっています。

高校生へのメッセージ

どのような環境にあっても、安定した気持ちで自分の力を伸ばすことのできる居場所があれば、マイペースで成長することができると思います。大学の4年間で専門性を養うことはもちろん、自分が力を発揮できる場を自らが創り出す力も身につけましょう。京都産業大学ではそのようなみなさんをサポートするゼミや授業がたくさんありますので期待してください。