近藤 剛

KONDO GO
文化学部 国際文化学科 教授
学位
博士(文学)(京都大学)
専門分野
ヨーロッパ思想史、宗教学、キリスト教神学

研究テーマ

哲学・宗教学・キリスト教神学・ヨーロッパ文化史

高校生に向けた研究内容の紹介

激動する現代において、何を変えなければならないのか、何を変えてはならないのか、それらを識別するためにはどのような知見が必要となるのかを、人文知(歴史・哲学・宗教)を通して考えていくのが、私の研究方針です。欧米を中心としたキリスト教思想ならびに文化の諸相、グローバル社会における宗教リテラシー(宗教との関わりにおいて倫理的な適切さを求めるための知識や能力)、人文知を駆使した世界情勢の読解などを主に扱っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

人文知(歴史・哲学・宗教)を駆使して、現代社会の諸問題を読み解く

現在の世界情勢を語る上で、特に欧米の動向は決定的な意味を持っています。例えば政治や経済から個人の価値観に至るまで、いわゆるグローバル・スタンダードの構築に指導的役割を果たしてきた欧米文化の形成は、キリスト教の影響を抜きにしては語れません。ゼミではこうした欧米キリスト教思想、ならびに文化の諸相という人文知の側面から、社会における多様な問題を読み解きます。
具体的な学びのテーマは学生の関心や興味に応じて多彩です。担当教員の専門領域は思想や宗教などですが、それ以外にも歴史的・時事的な側面も掘り下げます。
例えば、民主主義の功罪や、国家間の宗教問題、あるいは「社会が音楽に与える影響」や「韓国にはなぜキリスト教徒が多いのか」について探究する学生も。ゼミでの学びを通して、学生は国際文化の理解を深め、異文化に対する寛容性などを育みます。

ゼミ/卒業研究の紹介

「自分とは何なのか。どこから来たのか、どこへ行くのか。今ここに存在している理由とは何なのか」―そうした根源的な問いに関心がある学生を歓迎します。ゼミでは、人文知(歴史・哲学・宗教)の学びから現実の認識を深めるための基本的なトレーニングを行います。テーマの一例としては、①ヨーロッパのキリスト教世界を中心とした歴史、思想、文化の諸問題、②哲学や宗教の文献講読、③国際時事問題の歴史的・思想的背景の分析などです。

プロフィール

少年期にツタンカーメンの王墓を発掘したハワード・カーターや伝説の都市トロイアを発見したシュリーマンに憧れて、古代への情熱に駆られました。古代遺跡を実際に見たくなり、中学二年生の時にエジプトへ行きました。随分とカルチャーショックを受けたことを思い出します。映画のインディ・ジョーンズのような考古学者になりたかったのですが、土を掘ることから魂を掘ることへ関心が移行し、宗教や哲学を専門的に学ぶようになりました。

高校生へのメッセージ

大学の授業では中立性という高みに立つことが求められており、独自の意見を主張すべきではないという考え方もありますが、私は客観性を重視しつつも、できるだけ自分の見解を述べるようにしています。皆さんがそれを肯定するも否定するも、何らかの踏み台となるような一定の価値判断を示すことが大切であると思っているからです。私の見解を踏み台にして皆さんが届かなかった上にあるものへ手を伸ばしてつかむ経験をしてもらいたいです。