近藤 剛

KONDO GO
文化学部 国際文化学科 教授
学位
博士(文学)(京都大学)
専門分野
ヨーロッパ思想史、宗教学、キリスト教神学

研究テーマ

現代神学の諸問題・宗教批判の系譜・保守思想の再考

高校生に向けた研究内容の紹介

激動する現代において、何を変えなければならないのか、何を変えてはならないのか、それらを識別するためにはどのような知見が必要となるのかを、人文知(歴史・哲学・宗教)を通して考えていくのが、私の研究方針です。欧米を中心としたキリスト教思想ならびに文化の諸相、グローバル社会における宗教リテラシー(宗教との関わりにおいて倫理的な適切さを求めるための知識や能力)、人文知を駆使した世界情勢の読解などを主に扱っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

人文知(歴史・哲学・宗教)を駆使して、現代社会の諸問題を読み解く

変化の著しい現代社会において、改めて人間の本質を問い、「人間らしい文化的な社会」とは何かを構想するのが、ゼミのテーマです。人間はどこから来たのか、どこへ行くのか、今ここに存在している理由とは何なのか、そうした根源的な問いに対して、思想文化論的なアプローチから答えを探っていきます。一例としては、①ヨーロッパのキリスト教世界を中心とした歴史、思想、文化の諸問題、②哲学や宗教の文献講読、③国際的な時事問題の歴史的・思想的背景の分析などを扱っています。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミでは、思想、宗教、文化の蓄積から成る歴史の経験知を参照して、現実世界の認識を深めるための基本的な訓練を行います。研究テーマの選定、文献の読み方、文章の書き方を学ぶ座学だけではなく、博物館や美術館へのフィールドワークや音楽鑑賞なども取り入れています。卒業研究では、プラトン、アウグスティヌス、ベルクソン、アラン、フロイト、フロム、ハイデガー、アレント、シオラン、カミュ、デリダ、三島由紀夫などを扱った思想研究のほか、脳科学と宗教、ミイラと死生観、ヒップホップの歴史などを扱った文化研究があり、多彩な学びが行われています。

プロフィール

少年期にツタンカーメンの王墓を発掘したハワード・カーターや伝説の都市トロイアを発見したシュリーマンに憧れて、古代への情熱に駆られました。古代遺跡を実際に見たくなり、中学二年生の時にエジプトへ行きました。随分とカルチャーショックを受けたことを思い出します。映画のインディ・ジョーンズのような考古学者になりたかったのですが、土を掘ることから魂を掘ることへ関心が移行し、宗教や哲学を専門的に学ぶようになりました。

高校生へのメッセージ

大学の授業では中立性という高みに立つことが求められており、独自の意見を主張すべきではないという考え方もありますが、私は客観性を重視しつつも、できるだけ自分の見解を述べるようにしています。皆さんがそれを肯定するも否定するも、何らかの踏み台となるような一定の価値判断を示すことが大切であると思っているからです。私の見解を踏み台にして皆さんが届かなかった上にあるものへ手を伸ばしてつかむ経験をしてもらいたいです。