2025年9月の星空
Starry sky of the month
今月の星空
★土星(どせい): Saturn
太陽系の惑星で木星に次いで2 番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。黄色っぽく輝き、環に加えて土星の周りを回る衛星も望遠鏡を使うと見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。
★海王星(かいおうせい): Neptune
海王星は、地球と太陽の間の距離の約30倍(約45億km)も太陽から離れて回る惑星です。肉眼で見ることはできませんが、大気に含まれるメタンが赤い光を吸収するため、望遠鏡でのぞくと青色っぽく見えます
★夏の大三角(なつのだいさんかく): The summer triangle
はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガの3つの明るい星を結んで描かれる大きな三角形は夏の大三角と呼ばれています。ベガとアルタイルは、七夕の伝説における「織姫」と「彦星」です。
★二重星(にじゅうせい): Double star
二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える星です。
はくちょう座のくちばしに輝くアルビレオは、望遠鏡で見ると金色と青色の2つの星が寄り添って見える二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。また、詳しい観測によると、金色の星は、少し暗い別の星と連星系になっています。
こと座には、二重星がさらに2つずつの二重星となっている、ダブル・ダブル・スターと呼ばれる星があります。
★球状星団(きゅうじょうせいだん): Globular cluster
ペガスス座のM15、みずがめ座のM2、ヘルクレス座のM13 などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。
PICKUP!ピックアップ
9月8日未明 皆既月食
9月8日未明から明け方にかけて、3年ぶりに全国で皆既月食が見られます。「月食」は太陽- 地球- 月の順で一直線に並び、月が地球の影に入ることで欠けていくように見えます。部分食の始まる1時26分ごろから、皆既(月が全て地球の影の中に入る)は2時30分~3時53分、部分食の終了の4時56分まで、全経過を見ることができます。日食と違い、地球の大気を通過した赤い光がわずかに月面まで届くため、皆既中の月は真っ黒ではなく、赤黒い「赤銅色」になります。この色の変化も毎回の月食ごとに異なりますので、ぜひスケッチなどをしながら観察してみましょう!