2025年11月の星空

Starry sky of the month

今月の星空

★土星(どせい): Saturn

太陽系の惑星で木星に次いで2 番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。南の空で黄色っぽく輝き、望遠鏡を使うと環に加えて土星の周りを回る衛星も見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。

★海王星(かいおうせい)と天王星(てんのうせい) : Neptune, Uranus

海王星と天王星は、地球と太陽の間の距離の約30 倍(約45 億km)と約20 倍(約30 憶km)、太陽から離れて回る惑星です。肉眼で見ることはできませんが、大気に含まれるメタンが赤い光を吸収するため、望遠鏡でのぞくと海王星は青色っぽく、天王星は青緑っぽく見えます。天王星は自転軸が90 度倒れた「横倒し」の惑星です。

★二重星(にじゅうせい): Double star

二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える星です。
はくちょう座のくちばしに輝くアルビレオや、アンドロメダ座のガンマ星(アルマク)も色の対比が美しい二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。

★散開星団(さんかいせいだん) : Open cluster

ペルセウス座にある2つの散開星団 h-χ ( エイチ・カイ) が見頃です。
それぞれの星団には、数十個から数百個以上もの星が密集している様子が見えます。荒木望遠鏡では狭い範囲を拡大するため、2つの散開星団のうちどちらか1つを見ることになります。恒星は、ガスの濃いところで集団で生まれ、h-χのような、若い星たちが集まった散開星団となります。やがて、散開星団の星たちは、時間が経つと少しずつ離れていくと考えられています。

★球状星団(きゅうじょうせいだん): Globular cluster

ペガスス座のM15、みずがめ座のM2などの球状星団が見られる季節です。
球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。

PICKUP!ピックアップ

土星の環っかが消える?!

天体観望会でも大人気の天体、土星の環が今年の11月から12月ごろ、ほとんど見えなくなります。これは実際に環が無くなるのではなく、薄い環を真横から見るために見えなくなる現象です。土星は地球と同様に少し傾いて公転しているため、土星の赤道面上に広がっている環の見え方(見かけ上の太さ)は、年々変化し、15年に1度消えたように見えます。2025 年の春と11月下旬には地球や太陽から見て環が真横を向くような位置関係となります。2025 年の春は太陽に近い位置関係だったため、観望が難しかったので、11月下旬の「環の消失」を望遠鏡で楽しみましょう!