2025年10月の星空
Starry sky of the month
今月の星空
★土星(どせい): Saturn
太陽系の惑星で木星に次いで2 番目に大きい土星は、大きな環が特徴的なとても美しい天体です。南の空で黄色っぽく輝き、望遠鏡を使うと環に加えて土星の周りを回る衛星も見ることができます。土星の環は、主に直径数cmから数mの氷の粒の集まりで、ところどころに隙間が見られます。環の厚みは数10mから数100mほどしかありません。
★二重星(にじゅうせい): Double star
二重星は、肉眼では1つの星ですが、望遠鏡で見ると2つの星に見える星です。
はくちょう座のくちばしに輝くアルビレオや、アンドロメダ座のガンマ星(アルマク)も色の対比が美しい二重星です。2つの星の色の違いは、星の表面温度の違いを表しており、青い方が温度が高い星です。
★球状星団(きゅうじょうせいだん): Globular cluster
ペガスス座のM15、みずがめ座のM2、ヘルクレス座のM13などの球状星団が見られる季節です。球状星団は、数十万の恒星の集まりです。夜空が暗く澄んでいる晩に荒木望遠鏡をのぞくと、最初はぼんやりとしか見えないかもしれませんが、目が慣れると、まるで黒い画用紙の上に白い砂粒をまいたように見える姿は圧巻です。
★銀河(ぎんが): Galaxy
太陽のような星が数千億個集まった星の大集団が銀河です。私たちの太陽系も、「天の川銀河」と呼ばれる銀河に属しています。アンドロメダ座にあるM31(アンドロメダ銀河)は、私たちの天の川銀河のお隣(距離230万光年)の銀河です。数十億年後この2つの銀河は合体し、1つの巨大な銀河になると予想されています。空の暗い場所では肉眼でも光のシミのように見えます。
★赤色巨星(せきしょくきょせい): Red giant
恒星は、安定して輝く時期が長く続きます。しかし、恒星の内部の水素を使い果たすと、恒星は自身の重力で縮み始め、その際に発生する熱によって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。ガスが膨れると表面の温度が低くなるため、赤色に見えます。ガーネット・スターとも呼ばれる、ケフェウス座のμ(ミュー)星は、このような赤色超巨星と考えられており、直径は太陽の1400倍も大きいことが観測されています。
PICKUP!ピックアップ
レモン彗星が10月地球に最接近
レモン彗星(C/2025 A6)は米・レモン山天文台が2025年1月に発見した非周期彗星です。日本を含む北半球では10月中旬から夕方の西の空で見つけやすくなり、10月末頃には4等級前後まで明るくなる見込みです。暗い場所なら肉眼で見える可能性もありますが、双眼鏡や望遠鏡を使うと尾や淡い緑色のコマが捉えやすくなります。星図アプリで位置を確認し、月明かりや街灯を避け、低空の透明度が高い夜を選ぶと見やすいです。尾の形状やコマの大きさは日ごとに代わっていきますので、ぜひスケッチをしながら観測してみましょう。