2026年6月10日(水)ならびに7月23日(木)に「研究演習Ⅰ」(担当:植原 行洋教授)の一環として、株式会社福井製作所を訪問し、工場見学および研究成果プレゼンを実施しました。
(国際関係学部3年次 小山楓太・中田紫陽)

株式会社福井製作所は、1936年創業の大阪府枚方市に本社を置く安全弁メーカーです。主力製品である「安全弁」は、異常な圧力から設備を守る重要な機器であり、液化天然ガス(LNG)・液化石油ガス(LPG)運搬船をはじめ、世界中のエネルギーインフラを支えています。特にLNG・LPG運搬船向け安全弁では世界トップクラスのシェアを誇り、高い技術力を強みに製品の約8割を海外へ輸出するグローバルニッチトップ企業です。
また、近年は脱炭素社会の実現に向け、世界初・世界最大規模の水素サプライチェーン事業にも参画するなど、次世代エネルギー分野にも積極的に取り組み、安全技術を通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。

6月10日に行われた工場見学では、多くの学生にとって初めて目にする「安全弁」がどのように製造されているのかを、社員の皆様の案内のもと見学しました。製造工程ごとに丁寧な説明をしていただき、学生からの質問にも分かりやすく答えていただいたことで、安全弁への理解を深めることができました。
特に印象に残ったのは、社員の方がお話しされていた「安全弁は作動しないことが一番良い」という言葉です。安全弁は非常時に設備や人命を守るための製品ですが、そもそも作動しない状態を維持できることが、安全で安定した設備運用につながるという考え方にお客様を第一に考える姿勢を感じました。
また、蒸気用安全弁の最終検査で実際に蒸気を放出する際の大きな音や振動を間近で体感しました。異常圧力による事故を未然に防ぐ安全弁の重要性を実感するとともに、人々の暮らしや社会インフラを支える製品であることを改めて学ぶ貴重な機会となりました。

工場見学後に、研究成果プレゼンの課題が発表されました。今回のテーマはエネルギー分野に関するもので、学生は4つのグループに分かれて研究を進めました。また、プレゼン優秀者には、世界中のエネルギー業界関係者が集まる国際展示会「Gastech」への招待という貴重な機会が用意されていました。
課題発表後には、福井洋代表取締役社長よりご講演をいただきました。講演では、福井製作所の安全弁が世界中で長年選ばれ続けている理由について、「お客様の課題を深く理解し、その課題に対して最適な提案を行うこと。そのためには、お客様を理解し、安全弁のトップメーカーとして業界を先導する姿勢が大切である」というお話がありました。
さらに、「現在の時代に求められるのはスピードと情報の可視化であること」、そして「以前は『指示されたことを正確にこなす人材』が求められていたが、現在は『自ら考え、主体的に行動できる人材』が求められている」というお話は、進路の大事な選択を迫られている現在の私たちにとって大変印象深く、多くの学びを得る機会となりました。
講演終了後には質疑応答の時間が設けられ、福井社長は予定時間を超えても学生一人ひとりの質問に真摯に耳を傾け、丁寧に回答してくださいました。その姿勢から、日々日常で対話を大切にされる温かさを感じることができました。

そして、7月23日(木)再び株式会社福井製作所を訪問し、いただいた課題の研究成果を社員の皆さまの前で発表いたしました。
本番では、社員の皆さまを前に緊張しながらも、各チームがこれまで調査・分析してきた内容をもとに、自分たちなりの視点や考えを精一杯発表しました。
各チームの発表を聞く中で特に印象に残ったのは、それぞれの伝え方や表現の工夫、そしてプレゼンテーションの組み立て方でした。同じ「エネルギー」をテーマにしていても、着眼点や話の展開、聞き手への伝え方はチームによって異なり、他の発表を見ることで、自分自身のプレゼンテーションにもまだ多くの改善点があることに気づきました。
発表後には、担当の社員の皆さまから鋭い質問やご指摘、温かいアドバイスをいただき、自分たちだけでは気づくことのできなかった視点に触れる機会となりました。
さらに、社員の方からの質問に対して、その場で自分の考えを整理し、自信を持って答えるゼミ仲間の姿が印象に残りました。その姿を見て、準備してきたプレゼン内容を発表するだけでなく、その背景についての深い理解と洞察が重要と気が付きました。その場で投げかけられた問いに対して、自分の言葉ですぐに答えられる力も身につけたいと感じました。同時に、「もっとさまざまな質問を想定して準備できたのではないか」と反省し、自分自身の課題を見つけることもできました。

いただいた課題を契機に、私たちはエネルギー業界についてさらに深く調査・分析を進めることができました。エネルギーは、私たちの日常に欠かすことのできない身近な存在でありながら、普段はその仕組みや役割について深く考える機会が多くありません。しかし、今回それぞれのテーマからエネルギーについて調べることで、私たちの生活や産業だけでなく、国際情勢やモノづくり、さらには未来の社会とも密接につながっていることを知り、その重要性や奥深さを改めて実感しました。
プレゼン終了後には、私たちからの個別の質問にも社員の皆さまが一つひとつ丁寧に答えてくださり、とても嬉しく感じました。発表や質疑応答だけでなく、こうした社員の皆様との交流からも社会人としての姿勢など多くのことを学ぶことができ、次の活動につながる貴重な機会となりました。
お忙しい中、我々にこのような機会を与えてくれました福井製作所の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
福井製作所のホームぺージ
https://www.fkis.co.jp/