2026.07.14

吉川 美代子 客員教授と共に「コミュニケーション」を紐解く

吉川 美代子 客員教授

現代社会学部専門教育科目「現代社会の諸問題A」において、元TBSアナウンサーで本学の客員教授である吉川 美代子 教授による講義が実施されました。「コミュニケーション」をテーマに、言葉の持つ力や相手に思いを伝えるための心構え、さらに大学生活で大切にしたい学びについて話られました。

(学生ライター 文化学部4年次 向井 優)


心に届くコミュニケーションとは

吉川教授は、コミュニケーションが「言葉と言葉のキャッチボール」と表現されることが多い一方で、それは決して簡単ではないと語られました。同じ言葉であっても、誰に向けて、どのような関係性の中で、どのような場面で伝えるのかによって、受け取られ方は大きく変わります。このような多様性こそが、コミュニケーションの難しさにつながると説明されました。また、相手からの質問に質問で返さないことの大切さについても強調されました。まずは相手の言葉を受け止め、真摯に向き合うこと。そして、分からないことは素直に「分からない」と伝えることが重要だといいます。自分の率直な考えを言葉にして返すことで、相手の心に届くコミュニケーションが生まれると語られました。

言葉は意味の塊

さらに、言葉は単なる音の連なりではなく、1つの「意味の塊」として成り立っていることについても解説されました。例えば「富士山」という言葉は、「ふ」「じ」「さ」「ん」という4つの音の連続ではなく、「富士山」という1つの意味を持つ塊として文化的な意味を成しています。日本語を知らない人は音として聞き取ることはできても、「富士山」という意味の塊として受け取ることはできません。「どんな言葉であれ、選んで発した瞬間にその言葉には話し手の思いや気持ちが宿り、それが相手へと伝わる。」これが、コミュニケーションの基本であると語られました。講義では、敬語についても触れられ、敬語とは単なる形式ではなく、「相手の動作を丁寧に表現するもの」であると説明されました。そして本当に大切なのは、敬語の形を整えることではなく、相手を敬う気持ちを持って言葉を発することであると述べられました。


今回の講義では、コミュニケーションにおいて大切な考え方だけでなく、どのように人と向き合うべきかについても多くの気付きを得ることができました。吉川教授は、元アナウンサーとしての経験を基に、「伝えること」の本質や言葉の持つ力について語ってくださいました。また、読書や映画の原作本などの作品を通して多様な人生や感情に触れることの大切さにも言及され、豊かな人間性を育むことの重要性を学びました。今回の講義は、自らの言葉や人との関わり方を見つめ直す貴重な機会となりました。