
2026年6月24日(水)、「研究演習Ⅰ・Ⅲ」(担当:植原行洋教授)の一環として、日東精工を訪問し、工場見学と学生による研究発表を行いました。
(国際関係学部 3年次 的場琴音)
日東精工は京都府北部の綾部市に所在し、自動車や電子機器などに使われる精密ねじをはじめ、産業機械や検査・計測機器を手掛け、海外拠点10ヶ国20拠点、海外売上高比率30%超のグローバル企業です。普段はあまり意識することのない「ねじ」ですが、世界中のものづくりを支えている重要な役割を担っています。
5月14日(木)に同社からオンラインで事前に企業概要や海外事業戦略についてご説明いただくとともに、「同社の海外子会社における新たな成長戦略を提案する」という課題が提示されました。課題を頂いてから発表当日までの数週間、私たちはグループごとに調査や分析、議論を重ねながら発表準備に取り組みました。

オンライン説明で得た情報や公開資料をもとに、同社の強みや課題を分析し、どの市場や産業に着目するべきかを検討しました。実際の企業を対象として戦略を考えることは想像以上に難しく、市場規模や競合環境、実現可能性など多角的な視点から議論を行いながら発表資料を作成しました。特に苦労したのは、日東精工が持つ高い技術力をどの市場で活かすことができるのか、また、日東精工にしか製造できないような高精度・高品質なねじが必要とされる分野はどこなのかを見極めることでした。私たちは、幅広い業界や市場について調査を重ね、市場の成長性だけでなく、競合企業との差別化や技術的な優位性、実現可能性まで多角的に分析しました。その上で、「なぜ日東精工の製品でなければならないのか」という視点を常に意識しながら議論を重ね、根拠のある成長戦略を提案できるよう発表資料を作成しました。
発表当日は、まず2つの工場見学を行い、実際の生産現場や製品について説明していただきました。オンライン説明会では伝わらなかったものづくりの現場の緊張感や、品質への徹底したこだわりを肌で感じることができました。特に印象に残ったのは、ねじ締め機械の実演です。機械にはあらかじめ細かな動きがプログラムされており、障害物があっても正確にねじ穴まで到達し、ズレることなく瞬時に締め付ける様子を目の当たりにしました。

工場見学後、各グループがそれぞれ異なる視点から成長戦略を提案しました。同じ企業を対象としていても、着目する市場、製品が異なることで分析結果や提案内容にも違いが生まれ、それぞれのグループの個性や発想が反映された発表となりました。各グループの発表後には、社員の方々から貴重なご意見や鋭い質問をいただき、実際のビジネスの現場で求められる視点や考え方について学ぶことができました。特に印象に残ったのは、台湾市場をテーマにした発表に対し、「非日系企業への取引を増やしていくことも重要だが、海外企業と本格的に手を組むということは、その企業と運命共同体になるくらいの覚悟が必要ということでもある」というご指摘でした。市場の将来性だけでなく、既存取引企業との信頼関係や長期的な責任まで見据えて意思決定を行うことの重要性を学び、企業経営の厳しさを実感しました。


また、企業の方々からのフィードバックだけでなく、他グループの発表からも多くの刺激を受けました。分析の深さや情報量、プレゼンテーションの構成力や伝え方にはそれぞれ特徴があり、自分たちにはない視点や表現方法に触れる貴重な機会となりました。
企業研究の期間を通じて、普段の講義では得ることのできない実践的な学びを得ることができました。また、企業の方々の前で自分たちの提案を発表し、直接フィードバックをいただいた経験は大変貴重なものとなりました。今回の経験を今後の学びや将来のキャリア形成に活かしていきたいと思います。
お忙しい中、我々にこのような機会を与えてくれました日東精工の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。
【日東精工のホームページ】
https://www.nittoseiko.co.jp/