2026.06.25

文化学部の先輩たちから学ぶキャリア形成の道

6月16日、文化学部2年次生を対象とした必修科目「文科学部の学びとキャリアA」のゲスト回が開催されました。この授業は、文化学部での学びが卒業後の人生や仕事にどのようにつながるのかを考える授業です。文化学部卒業生3人をゲストスピーカーとしてお招きし、「社会で活躍する卒業生たち」をテーマに、担当の久米 裕子 教授とゲストスピーカーによる対談形式の授業が行われました。

今回登壇されたのは、福本 圭菜氏(国際文化学科〔現・文化構想学科〕)、松本 哲汰氏(京都文化学科 京都文化コース〔現・京都文化学科〕)、鈴木 州太氏(京都文化学科 観光文化コース〔現・文化観光学科〕)の3人です。卒業生の皆さんには、それぞれの学生時代の学びや就職活動の経験、現在の仕事、生成AIとの向き合い方、そして文化学部での学びが現在のキャリアにどのように生かされているのかについてお話いただきました。

【文化学部時代の学び】

福本氏:学生時代は部活動(フィールドホッケー部)に熱中していた。中 良子先生のゼミでアメリカ文化を学び、卒業研究では銃社会をテーマに研究した。
松本氏:成田 智恵子先生のゼミで、伝統産業や伝統工芸を学んでいた。卒業研究ではランニングシューズの歴史的変遷をテーマに研究した。学生時代はフルマラソンやウルトラマラソンにも挑戦し、ランニング中心の学生生活を送っていた。
鈴木氏:観光や歴史を中心に学んでいた。奥野 圭太朗先生のゼミに所属し、卒業研究では外来魚を活用した観光政策について研究した。駆除対象として捉えられがちな外来魚を観光資源として活用する可能性を考察した。

【就職活動について】

福本氏:これまで4回の転職を経験し、20代のほとんどが就職活動のようだった。現在はプロダクトデザインやものづくりの仕事を手がける「うがつ」に勤務しており、自分が本当に打ち込めることを探し続けてきた。仕事を探す中で、自分が興味を持つものや、その原点について考え続けていた。
松本氏:中学生の頃からランニングシューズに強い関心があった。スポーツ用品メーカー各社について徹底的に調べ、企業理念や商品づくりの考え方を比較した結果、現在勤務する株式会社ゴールドウインへの就職を決意した。自分がやりたいことから逆算して企業研究を進めていた。
鈴木氏:大学3年次から本格的に就職活動を開始した。空き時間を見つけては業界を限らずインターンシップに参加していた。もともと実家が海に近くて魚が好きだったので、好きなことを広めていく中で、今の会社に絞った。株式会社ショクリューという会社で、特定の魚種だけを扱うのではなく、全般的な仕事ができるのが今の会社だった。夏ぐらいには面接の練習を始めて、12月ぐらいには選考に入った。

【現在の仕事について】

福本氏:現在は家具や店舗空間などのデザイン・製作に携わっている。仕事を通してさまざまな人や地域と関わることで、自分自身の価値観や視野が広がった。いろんな視点で物事を考えられるようになったのが自分としては良かった。
松本氏:現在は株式会社ゴールドウインの販売職として勤務している。もともとはシューズ開発を志望していたが、店舗ではお客様の声を直接聞くことができるため、将来の商品開発につながる貴重な経験になっている。
鈴木氏:水産専門商社で量販店向けの商品提案を担当している。B to B企業ではあるが、自分が提案した商品が店頭に並び、消費者に購入された時に大きなやりがいを感じる。日々仕事をしている中で水産に関する知識が増えていることにも楽しさを感じる。

【生成AIとの向き合い方】

福本氏:建築やデザインの現場では、完成イメージの作成やアイデア出しなどで生成AIが活用されている。自身も壁打ち相手として利用しているが、使いすぎず自分で考えることも大切だと思う。
松本氏:就職活動中はほとんど生成AIを利用しなかった。会社では職種によっては使用する場合もあるが、お客様一人ひとりのためにという企業理念がある。商品開発や接客では実際に使う人の感覚が重要で、AIは靴を履かないし、足裏の感覚もない。
鈴木氏:現在は業務での活用は多くないが、今後は発注や在庫管理などへの活用が進む可能性がある。AIと相談しながら、最終的には人が確認、判断をするのではないか。

【文化学部の学びとキャリア】

福本氏:当初は文化学部の学びが何につながっているのかと思った。一方で、今のデザインやものづくりの仕事には、どういう文脈で相手がそう考えているのかを自分で深掘りしていく。歴史やカルチャーに紐づくような空間作りをしているので、文化を学び、研究できる学部に、ちょうど今戻りたいと思う。
松本氏:文化を広く捉える視点を身に付けることができたからこそ、ランニングシューズとの関連性を見いだすことができた。文化は人のベースになるものであり、それを学んだことが仕事に直結している。
鈴木氏:入学当初は魚をテーマに卒業研究を書くとは思っていなかったが、文化学部だったからこそ自由に研究テーマを設定できたのではないかと思う。その経験が現在の仕事にもつながっている。

【受講生へのメッセージ】

福本氏:2年次生は将来のことよりも目の前の楽しいことに意識が向く時期かもしれないが、こうした機会をきっかけに、一度自分自身を俯瞰して見てほしい。そして、行動に移して形にしてほしい。
松本氏:自分の場合は、ランニングシューズが好きだったことがたまたま仕事につながった。興味がないことでも、その中で自分がワクワクすることを考えてみましょう。まずは自分がワクワクすること、ニヤニヤできることを探してほしい。楽しみましょう。
鈴木氏:まずは大学生活を楽しんでほしい。その中でやりたいことをやっていくと、将来やりたいことにつながる可能性もあるので、気にせずにどんどんやってみてほしい。気楽に始めていけば良いと思う。

受講生たちからは、「好きな仕事についているからこそ、しんどいと感じる部分はありますか」などの質問が寄せられました。文化学部では、社会で活躍する卒業生たちの多様なキャリアに触れる機会を通して、受講生が将来の進路や自身の学びについて主体的に考える場を提供しています。

授業の様子

ゲストスピーカーのみなさんと久米教授