一枝会支援金による海外渡航支援制度「行ってみチャレンジ」2026年度募集説明会 ~ノルウェー・ネパールに調査渡航した先輩の体験談~

一般社団法人一枝会による海外渡航体験計画を支援する制度「行ってみ!チャレンジ」が6月から募集されるのに合わせ、国際関係学部では、当該制度に興味を持つ学生を対象に説明会が開催されました。
当日は国際関係学部3年次の石原 英憲さんと小竹 里穂さんが「行ってみ!チャレンジ」を活用した海外調査について発表しました。石原さんはネパールで宗教観と幸福度の関係を研究し、小竹さんはノルウェーでサーモン産業と環境問題について調査しました。現地でのインタビューやアンケートを通じて、教室では得られない学びや気付きを得た経験が紹介されました。
(学生ライター 法学部2年次 山岡 由茉)
教員による「行ってみ!チャレンジ」の申し込みについての説明の後、この制度を利用して海外で調査活動を行った学生による発表がありました。石原 英憲さん(国際関係・3年次)は、ネパールにおける宗教観と幸福度の関係について発表しました。石原さんは、日本は物質的に豊かな国であるにも関わらず自殺率が高く、一方ネパールは経済的な豊かさは日本ほどではないが、幸福度が高い点に着目しました。現地ではアポイントメントを取り、住民へのインタビューを実施しました。その中で印象的だったのは、多くの人が日常的に祈りを行い、自分自身や神様と向き合う時間を持っていることです。ネパールでは神様を身近な存在として捉え、自分の内面と向き合う文化が根付いているといいます。


また、ヒンドゥー教を背景として発展したヨガについても調査しました。ヨガは単なる運動ではなく、自分自身を知り、心と身体を整えるための実践として受け継がれています。石原さんは、このような自己との対話が幸福感につながっている可能性があると考えたそうです。一方で、人の感情や幸福は単純に一般化できるものではなく、多様な要因が影響していることも学んだと話していました。
さらに、「行ってみ!チャレンジ」は経験の有無ではなく、「これまでやったことのないことに挑戦する姿勢」が評価される制度であることも紹介されました。

続いて、小竹里穂さんはノルウェーにおけるサーモン産業と環境外部性について発表しました。きっかけは、アルバイト先の寿司店でノルウェーからの来店客に「このサーモンはどこの産地か」と尋ねられたことだったそうです。そこから、サーモン養殖と国際貿易の実態に関心を持つようになりました。
調査では、ノルウェーの養殖サーモン産業について現地でアンケートや聞き取りを行いました。ノルウェーでは政府と企業が協力しながら養殖業を支えており、感染症対策として抗生物質の使用量を抑える取り組みが進められています。薬剤に頼るだけでなく、レーザー技術を用いて寄生虫を防除する方法なども導入されていることが紹介されました。
また、現地アンケートでは「サーモン輸出をさらに拡大すべきか」という問いに約70%が賛成し、「産業を拡大すべきか」についても半数以上が肯定的な回答を示しました。しかしその一方で、環境保護との両立の難しさも課題として挙げられました。
小竹さんは、環境ラベルへの関心や、生物多様性への配慮についても調査し、サーモンは経済的価値の高い輸出品ですが、「利益だけでなく生き物への配慮も必要ではないか」と考えるようになったといいます。また、輸出に伴う二酸化炭素排出などを考えると、何をもってサステナブルとするのかを改めて問い直す必要性があると感じたそうです。
さらに、現地で人々と直接対話したことで、資料やデータだけでは分からない現実を知ることができ、自身の興味分野がより明確になったといいます。
今回の説明会では、海外での調査が単なる旅行ではなく、自分自身の問いを深める学びの機会であることが示されました。現地の人々との対話を通じて得られる気付きの大きさや、身近な疑問から研究テーマが生まれる面白さを感じました。挑戦する姿勢そのものの重要性も強く印象づけられました。
