法学部専門教育科目「2年次演習A」「3年次演習A(地方政府と政策)」(担当:北川 雅敏教授)では、「即戦力として活躍できる実践的な政策形成能力」の習得を目標に、2年次生では「地域産業政策」、3年次生では「地方政府と政策」をテーマに、公共政策のステージモデルのうち、アジェンダ設定から政策案の策定までを体験的に学ぶ授業を行っています。
今年度の2年次演習Aでは、三重県多気町をフィールドに地域産業を多角的に調査する計画を進めています。その学びの一環として、同町の商工会・工業会・観光協会の会長を務め、万協製薬株式会社および株式会社ふるさと村の代表取締役でもある松浦 信男氏をゲスト講師にお迎えし、「多気町の魅力と地域振興のひみつ」「なぜ経営者が地域振興に取り組むのか」をテーマに、2限にわたりご講義いただきました。

講義では、約300枚に及ぶスライドをご用意いただき、多気町の概要・歴史・産業構造に加え、阪神・淡路大震災を契機に神戸から三重へ移転した製薬会社の経営、さらには地元が指定管理から撤退した「ふるさと村」の経営をなぜ引き受けたのかといった貴重な裏話まで、幅広い内容をお話しいただきました。
また、経営者として成功するためには「情熱を高める努力」と「冷静さを保つ努力」の双方が不可欠であるという経営哲学についても、熱意あふれるメッセージをいただきました。
学生からは、
・「3万体を超えるフィギュア収集という個人の“好き”を、どのように企業ブランディングや地域活性化につなげたのか」
・「震災で大きな被害を受けた際、“再建できる組織”と“崩れてしまう組織”の違いは何か」
・「企業利益を追求する立場と、観光協会や商工会の会長として地域発展を考える立場が衝突することはあるのか。その際どのようにバランスを取っているのか」
など、鋭い質問が相次ぎましたが、松浦氏はその一つひとつに丁寧かつ情熱を込めて回答してくださいました。


今回の講義を踏まえ、学生たちは事前調査をさらに深め、夏には現地調査を実施する予定です。多気町を題材に、学生ならではの視点を生かしたクリエイティブな政策提案ができるように、取り組みを進めていきます。