2026.06.08

生成AIが言語教育にもたらす変化とは?-マカオ理工大学・Mark Feng Teng准教授による特別講演を開催しましたー

6月2日、文化学部の教職課程の学生を対象に、マカオ理工大学のMark Feng Teng准教授をお招きし、「デジタル応用言語学―AIと英語教育・教員教育―」をテーマとした特別講演を開催しました。

特別講演の様子

講演では、近年急速に発展する生成AIが、英語教育や語学教員の役割にどのような変化をもたらしているのかについて、最新の研究動向を交えながら解説していただきました。特に、Teng准教授が提唱する「Digital Applied Linguistics(DAL)」という新しい視点から、AIが単なる教育ツールではなく、学習や知識形成そのものを変革する存在になっていることが紹介されました。

講演では、従来の「教員から知識を得る」という伝統的な学習観から、人間とAIが協働しながら学びを創り出す時代への転換が強調されました。AIを活用する際には、適切な質問を作る力(プロンプト・リテラシー)や、AIの出力を批判的に評価する力、そして学習者自身が主体的に判断する力がますます重要になることが指摘されました。

また、AI時代における教員の役割についても議論が行われました。教員は知識を一方的に与える存在から、学習環境を設計し、学習者とAIとの対話を支援する「学習のアーキテクト(設計者)」へと変化していくことが示されました。

学生に語りかけるMark Feng Teng准教授

真剣に話を聞く様子 これからの教育について理解を深めた

さらに、香港、マカオ、中国本土の教員を対象とした事例研究も紹介され、AI導入に対する教員の主体性(Teacher Agency)や不安、適応の在り方について考察が行われました。学生たちは、AIが教育現場に与える影響を多角的に捉えながら、これからの教員像について理解を深める機会となりました。

参加した学生たちは、生成AI時代における教育の可能性と課題について考えを深めるとともに、これからの教員に求められる資質・能力について理解を深める貴重な機会となりました。

〜学生からの感想〜
  • 私は学校の授業というものは教員が一方的に教え生徒は聞いて学ぶというのが普通であると思っていました。そして、教員と生徒間でAIが入ってくるとも考えていませんでした。しかし今回の講義を聞いて、生徒と教員、そしてAIが三角関係で授業を作って行くのがこれからは普通になっていくことを学びました。AIを使うことで教員が考えること以外のアイディアが浮かんだり、生徒の考えをただ単に良いと判断するだけでなく、批判的にも見る考えができたりなど、必ずしもAIを使うことがマイナスなことではないことに気付かされました。自分が教員になったらAIに頼るばかりではなくAIを使って三角関係を上手く築いていきたいです。
  • 今回の授業では、Digital Applied Linguisticをコミュニティや先生の主体Agency、教員の仕事と絡めて学ぶことができたと思います。特に、生成AIが人間らしく意味の理解をしている訳では無いが、効率的に言葉を生成するAIであるという概念を知り、興味深いと感じました。また、AIを簡単に使えるこの時代に、生徒の思考力や判断力、応用力などが衰えてしまわないように、教員という存在がemotional supportとなるよう、生徒を支えるべきであることがこれから重要であると考えました。
  • 自分はAIに反対する考えが多く残っている中で教育を受けてきましたが、その頃より少しずつAIやデジタルが授業にも取り入れられてきていることは知っていました。でもその中でより良い教育環境を作るために必要なことというのを今回の講義で理解することができました。それぞれの先生や生徒がただAIに流されて教育の主体から外れていくのではなく、活用しながら受け入れて、教育の主体としてお互いがより近くで活動することが成長へと繋がることが分かりました。