2026.06.03

『日本人ファースト』だけで良いのか。在留外国人と共に安心出来る日本社会を目指して

共通教育科目「ジェンダー平等と多様性」は、ジェンダーや国籍、価値観、障がいの有無などさまざまな違いを尊重しながら、公平性(エクイティ)や包摂性(インクルージョン)の視点について学びます。今回の講義は「共存か、それとも排除:外国人問題っていったい何?」をテーマに、「NPO法人外国人女性の会パルヨン」代表理事を務めていらっしゃるハッカライネン・ニーナ氏に講演いただきました。

(学生ライター 現代社会学部 4年次 朝倉 瑠菜)

日本の在留外国人の現状

現在、日本では在留外国人数が増加しています。構成比を見ると、アジア人が多く、中国が22.6%で最多です。最近では、インドネシア、ミャンマー、スリランカが特に増加傾向にあるといいます。また、在留資格については、留学や技能実習といった一時的なものではなく、永住者が23.0%で最多となっています。(出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」より)東京の人口は、2024年1月時点で60歳以上の割合が25%を超え、約4人に1人が高齢者となっています。一方で、都内在住外国人は20代が最も多く、20、30代で50%以上を占めています。更に、10代、10歳未満も増加しているとのことで、年少世代の割合も高くなっています。(東京都総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」より)外国人増加は、日本の人口にも深く関係し、人口減少の緩和に繋がります。

日本人ファーストについて考える

2025年参議院選挙で参政党がスローガンとして「日本人ファースト」を掲げたことを覚えていますか。この演説を聞いたハッカライネン・ニーナ氏は、「外国人である私は日本では歓迎されていないのかもしれない、30年間日本に住んで初めて肩身の狭い思いをした」と振り返られました。

外国人に対するよくある誤解について、実際には外国人人口に比べ検挙人数も少なく、不法在留者の数も増加していません。また、外国人であるという理由だけで生活保護の申請が安易に通るというわけではなく、申請できるのは永住者や日本人配偶者といった人に限られています。自由民主党のWebサイトには、「国民の安全と安心を守る外国人政策」と記されています。これは外国人政策でありながら必ずしも外国人を守るための政策とは言えません。また、「不安や不公平をなくします」とも述べられていますが、ここで指しているのは、日本人が感じる外国人に対する不安や不公平と考えられます。その具体例の1つとして、在留資格に関する手数料が大幅に引き上げられました。(在留資格の変更申請は6,000円から最大10万円、永住許可費用を1万円から最大30万円)このような制度の厳格化により外国人の中には帰国や他国への移住を検討する動きも出ているそうです。

「NPO法人外国人女性の会パルヨン」代表理事 ハッカライネン・ニーナ氏

外国人と日本人が仲良く、楽しく暮らせる社会づくり

定住者向けの行政サービスが十分でないことや、国際結婚をしている外国人女性の中には日本語が上手く話せない人がいることを背景に、ハッカライネン・ニーナ氏は、「NPO法人 外国人女性の会パルヨン」を2007年に京都で設立されました。日本独特のマナーは外国人にとって理解が難しいものも少なくありません。例えば、「考えてみます」は京都では断りの意味として受け取られることがあります。このような日常生活にみられる曖昧な表現に着目し、外国人の目線を生かしたガイドブックの作成など、さまざまな活動をされてきました。


円滑なコミュニケーションのために日本人ができることとして、「やさしい日本語」を使うことが挙げられます。「はっきり」「最後まで」「短く」の「はさみの法則」が重要とされています。具体的には、「選択します」ではなく「選びます」と言い換えるなど漢字や熟語を減らす、外来語をなるべく使わない、そして相手に伝わることを優先し、敬語を控えるといった工夫があります。ぜひあなたも「やさしい日本語」の使い方について考えてみてください。

講義を終えて

今回印象に残ったのは日本の政策についてです。こんなにもストレートに外国人の方を排除するようなものであったのかと驚きました。互いのことを知る機会が無いからこのような現状になっているのではないかと思います。私には外国人の友人がいますが、話していてとても楽しく、友人の国の文化も知ることができて視野が広がりました。国の違いだけで相手を排除するのではなく、1人でも歩み寄れる人が増えればと思いました。