2026.06.04

教室を出て、京都・花背へ。新入生キャンプで学環生が持ち帰った「ビジネスの手札」

5月中旬、学びや生活も少し落ち着いてきた頃、1泊2日の新入生キャンプ「REAL BOOTCAMP」を実施しました。

教室を出て、現実社会の中で学ぶ。
アントレプレナーシップ学環の教育コンセプト「REAL」を、そのまま形にしたプログラムです。一般社団法人Impact Hub Kyotoの皆さん、地域の皆さんの多方面にわたる協力により実現しました。

フィールドは、京都産業大学からほど近く、天狗伝説で知られる鞍馬山を抜けた先に広がる花背地区。大学を出発し、正午にベースとなる施設「花背こども村」に到着。
まずは、導入ワーク。何を見るのか、何を感じるのか。この2日間の目的は、“ただの参加者”として風景を眺めることではありません。

続いて、学環生の前に現れたのが、企業でキャリアを築きながらも、その環境を飛び出し、林業という未知の領域へ挑戦した起業家。語られたのは、放置された森は守られないという現実。人が入り、整え、使い、つなぐことで、森は価値になる。整備・加工・流通までを一体で動かし、森林資源をビジネスへと変えていく。そんな実践が紹介されました。印象的だったのは、「アイデアに『いいね!』をする人は多いけれど、実際に動く人は少ない」という言葉。それは、学環が大切にする「当事者となり行動を起こす」という考え方そのものでした。

積極的に質問する学生

その後は、地区の名所をめぐるフィールドワークへ。山の小道を、学環生同士で日々のことを話しながら進むと、「三本杉」へ到着しました。その足で、峰定寺(ぶじょうじ)へ。境内をしばらく歩くうち、学環生が目を留めたのは、修験者が使う木の杖でした。一見すると、何気ない一本の杖。けれど、その曲線や手ざわりには、不思議な魅力がある。見方を変えれば、誰かにとって意味や価値のあるものになるかもしれない。教室を飛び出すからこそ、そんな発見に出会える。それもまた、REALな学びの一つでした。

花背こども村に戻った後は、Impact Hub Kyotoの取組について話を伺いました。「Hanase Field Lab.(by Impact Hub Kyoto)」の取組に関わる他大学の先輩学生も駆けつけ、花背の地域資源であるチマキザサを守る取組を紹介してくれました。祇園祭の厄除けちまきや和菓子にも使われるその笹。地域に受け継がれてきた資源が、文化や産業とむすびついていることを知る時間となりました。また、大学の枠を越えて京都で学ぶ学生同士の交流も進んでいきました。

夕食後も、翌朝の発表に向けたワークは続きます。テーマは「花背を感じる、花背を伝える」。感じたことを、どう形にするのか。どう言葉にするのか。正解はない。だから、面白い。学生たちは手探りで向き合い続けました。
真剣に議論を重ねる人。大学生活について語り合う人。花背の夜は、山の冷気が降りてくる一方で、学環生たちの声と問いが少しずつ熱を帯びながら、更けていきました。

翌朝。朝一番からワークに入り、チームごとの発表へ。

キャンプの最後に、花背でチマキザサに関わる取組を続ける現地の方から話を伺いました。笹は、ただ生えているのではありません。シカの食害を防ぐための管理、採取と選別、保全の積み重ねによって、はじめて資源となります。花背の自然と京都の文化、そして暮らしをつなぐ線が見えてきました。問いかけられたのは、資源をどう活用するかだけではありません。誰がそれを担い続けるのかということです。そこに、学環生が向き合うべきビジネスの意味がありました。

そして、2日間の締めくくりへ。
中谷学環長から伝えられたのは、「まずは自分の“手札”で勝負すること。そして、動き出すことが大切」というメッセージでした。
花背をあとにする学環生たちが持ち帰ったのは、荷物だけではありません。自分の目で見て、自分の言葉で捉えた風景と、そこから立ち上がった問い。その一つひとつが、これからのビジネスの“手札”になっていきます。

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