馬車をいくら改造しても、「自動車」にはならない―
社会をプラスの方向に動かすためには、今あるものの延長ではなく、新しい技術と発想が欠かせません。
だからこそ、どんなワクワクする技術が生まれ、何を変えようとしているのかを、自分で探し、考える力が求められます。教えてもらうだけでなく、自分でもAIやデジタルの技術に触れながら、新しい未来(ビジネス)の素を探っていく。そんな姿勢を早い段階から育むために、アントレプレナーシップ学環では、「科学技術と未来社会」を1年次前期の必修科目としています。
5月19日の授業では、京都産業大学内にある科学技術の拠点を巡り、すぐそこにある最先端技術を体感するフィールドワークを全員で行いました。
まず向かったのは、3Dプリンタ、レーザーカッター、UVプリンタなどを備えたファブスペースです。ここは、利用講習を受ければ、学部を問わず学生がデジタル工作機器を使った学修や研究に取り組める場所です。設備を前にすると、学生たちの口から自然に「自分だったら」がこぼれます。アイデアが、ぐっと現実に近づく瞬間でした。


つぎに訪れたのは、京都産業大学が世界に誇る神山天文台です。
大学の中に本物の天文台がある―その事実だけでも驚きですが、創設者の名を冠した巨大な「荒木望遠鏡」を目の前にして、学生たちはさらに圧倒されます。宇宙へつながる可能性を、頭の中の話ではなく、現実のスケールで体感しました。神山天文台は、教育・研究の拠点であると同時に、天体観望会や天文学講座などを通して、地域社会へ宇宙に触れる機会も広げています。


最後に、教材・コンテンツ制作室を見学しました。ポスター、Web、動画・音声編集―表現と発信を支える環境がここにはそろっています。プロレベルの撮影機材やソフト、大判プリンタなども整い、機材や素材に触れながら、学生たちの中で「やってみたい」が次々と動き出します。さらに、かつてアントレプレナー育成プログラムを受講し、現在は大学院先端情報学研究科で研究とビジネスに取り組む先輩学生から、具体的な活用について話を聞きました


理系のセンスを磨く環境が、アイデアをもっとおもしろくする。構想を大きくする―ビジネスに、文系・理系の境界はないから。
だからこそ、すべてがすぐそこにある「一拠点総合大学ならでは」の強みを生かして、アントレプレナーシップ学環の学びが成り立っている。
今日の授業は、学環の意味とその価値を、学生たち自身が確かめる時間にもなりました。