2026.05.18

先端情報学研究科で滞在研究を行う海外修士学生によるトークイベントをファブスペースで開催(第4回 Francesco 編)

研究紹介を行うSUPSI修士学生のFrancescoさん

京都産業大学では2026年5月1日、「KSUファブトーク!‐『世界各地から集まった学生が語る インタラクションデザイン/AI/デジタルものづくり』‐」と題したトークイベントを学内ファブスペースにて開催しました。本イベントは、スイスにある南スイス応用科学芸術大学(以下、SUPSI)より約3か月間本学に滞在しているインタラクションデザインを学ぶ修士学生を迎え、研究や制作活動について紹介してもらう機会として企画されたものです。

実践に根ざしたデザインとエンジニアリングの歩み

本学はSUPSIと、デジタルファブリケーションやインタラクションデザイン分野における国際的な教育・研究交流を目的とした学術交流協定を締結しています。本イベントは、その取り組みの一環として、協定校から来学している学生による研究や制作活動の発信の場として実施されました。4回目の開催となる今回は、南スイス応用科学芸術大学(SUPSI)に所属する修士学生のFrancesco Salvatoreさんが登壇し、自身の学部時代から修士研究に至るまでの実践的な取り組みについて紹介しました。

発表では、学部時代にベンチャー企業の支援に関わった経験を起点に、パラメトリックデザインとの出会いや、特定の用途に特化した3Dプリント製義手のデザインプロジェクトが紹介されました。スポーツや楽器演奏といった特殊な動作に対応する義手を、デジタルファブリケーション技術によって自作可能なプロダクトとして設計する過程では、身体的条件だけでなく、使用者の心理的側面への理解が重要であることに気づいたといいます。

 デジタルファブリケーション技術を用いることで、一人ひとりの身体に合わせたプロダクトをオンデマンドで製造できる可能性が示され、パラメトリックデザインの思想が実社会でどのように活かされるかが具体的に語られました。

携わったプロジェクトについて話すFrancescoさん

修士課程ではインタラクションデザインへと関心を広げ、生成AIとの共創をテーマとしたグループワークや研究に取り組んでいます。スプーン形状のデータベースを収集し、AIによる生成と人間による選択・判断を循環させるプロセスを通して、デザインにおける新たな意思決定のあり方を探っています。こうした試みは、経験の中にどのようにAIを組み込むかという問いへと発展し、インタラクションデザインにおけるメンタルモデルの考え方や、AI時代の体験設計についての示唆を与える内容となりました。

質疑応答では、生成AIを学ぶ際の姿勢について質問が寄せられ、まずは自ら手を動かして制作してみることの重要性が示されました。学部時代から企業との協働を通じて技術力を磨きつつ、時代の潮流に応じて関心や専門性を変化させてきた姿勢は、参加した学生にとっても大きな刺激となりました。

本イベントを通して、参加した在学生にとっては、同世代の学生がどのように研究を進め、成果を整理し、プレゼンテーションとして発信しているのかを知る貴重な機会となりました。海外の大学での学びや研究の進め方に触れることで、本学の学生にとっても新たな視点を得る機会となり、自身の制作や研究活動を見つめ直すきっかけとなることが期待されます。

本イベントは、デジタルファブリケーションやものづくりに関する学びを共有する場として、今後は滞在中の修士学生らによる展示を開催予定です。引き続き、国際的な学修交流の場としての発展が期待されます。

概要

イベント名

KSUファブトーク!

‐『世界各地から集まった学生が語る インタラクションデザイン/AI/デジタルものづくり』‐

日時 2026年5月1日(金)13:15〜14:45
会場 京都産業大学 14号館 ファブスペース
対象 本学学生・大学院生・教職員
参加人数 16人