2026.04.17

REAL TALK Vol.0 答えのない状況に向き合う時代だからこそ、問いから動く。株式会社スタジオプレーリー共同代表・坂木茜音さんのトーク

卒業までに、起業家と100人出会う――
アントレプレナーシップ学環では、そのための取組の一つとして、起業家を招く「REAL TALK」を開催しました。ボリューム番号はゼロ。まずはやってみよう、の精神で始まった初回です。学環生だけでなく、情報理工学部や経営学部の学生なども参加しました。

今回のゲストは、デジタル名刺「プレーリーカード」を手がける株式会社スタジオプレーリー共同代表であり文部科学省アントレプレナーシップ推進大使の坂木茜音さん。坂木さんは、京都でアートや伝統工芸、建築を学び、卒業後は海外を巡りながら、さまざまな文化に触れてきました。その後も、コワーキングスペースやシェアハウスなど、人が集まり、何かが生まれる場に身を置き、表現活動や場づくりを重ねながら起業へと歩んできました。現在は「『出会えてよかった』があふれる世界をつくる」をビジョンに、プレーリーカードを展開しています。

その原点となったのは、海外で活動する友人へのプレゼントでした。紙の名刺では伝えきれないその人らしさを、もっと豊かに届けられないか。そんな思いから、スマートフォンをかざすだけでプロフィールページへつながるカードをつくったところ、「自分もほしい」という声が広がり、事業化へとつながっていったそうです。
坂木さんは、あえて「カード」にした理由についても語りました。名刺交換は、大切な「挨拶の文化」でもあります。だからこそ、すべてをデジタルに置き換えるのではなく、その文化を少しだけ先へ進める。プレーリーカードには、そんな発想が込められていました。

トーク後半は、学生からの「いい質問」の時間。
「デジタル名刺でコミュニケーションは実際にどう変わったのか」「読み込んだ後にうっかり画面を閉じてしまったらどうするのか」「複数の肩書や活動がある人はどう使い分けるのか」。サービスの表側だけでなく、その裏にあるハードルやユーザー体験の課題にも踏み込んだ質問が続きました。坂木さんは、実装と改善を重ねながら、文化を少しずつ育てている現在地を率直に共有してくださいました。また、立ち上げ期には、目の前の「応援者」を一人ひとり増やしていくことが大切だったと語られました。使ってもらい、フィードバックを受け、改善し、その変化がまた応援を呼ぶ。その積み重ねが連鎖し、ファンを生みながら、ビジネスとして広がっていったのです。

最後に、坂木さんはAI時代を生きる学生へのメッセージを贈りました。
「答えよりも、もっと大事なことは、どんな問いを立てるのか。」
正解のあるテストではなく、答えのない状況に向き合う時代だからこそ、自分は何が好きなのか、何に違和感を持つのか、なぜそうなっているのかを問い続けること。その問いを起点に行動していくこと。その営みこそが、アントレプレナーシップなのだという言葉は、学生にとって強い示唆となりました。

坂木さんの話は、起業とは、日常の違和感に問いを立て、一歩を踏み出すことの延長にあるのだと感じさせるものでした。誰かに与えられた正解をなぞるのではなく、自分の問いを持ち、自分のプロジェクトを動かしていくこと。今回のREAL TALKは、アントレプレナーシップ学環が大切にしている姿勢に触れる時間となりました。

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