令和7年度 ドイツ語海外実習(ライプチヒ)について、参加した2名の学生から体験記が届きました。
海外実習紹介
実習先(ライプチヒ)の紹介はこちら
ドイツのサッカー文化と都市の関係 ― 海外実習を通して
ヨーロッパ言語学科 ドイツ語専攻 1年次生 太田 智人
海外実習への参加と目的
私は2026年2月15日から3月15日までの29日間、ドイツ・ライプチヒでの海外実習プログラムに参加しました。もともとサッカーをきっかけにドイツに興味を持ち、大学で1年間学んだドイツ語を実際にどの程度使えるのかを試すとともに、現地のサッカー文化に触れたいと考えたことが参加の理由です。実習期間中には、ライプチヒ、ベルリン、ミュンヘンの3都市を訪れ、それぞれの地域におけるサッカー文化の違いを体感しました。本稿では、各都市におけるサッカー文化とクラブと都市との関係について、現地での体験をもとに述べます。
ライプチヒ ― 新興クラブと地域の一体感
まず、実際に寮で生活したライプチヒについてです。ライプチヒのサッカー文化を象徴するのは、新興クラブでありながら急速に発展してきたクラブと、それを支える地域の熱気です。スタジアムでは、伝統的なクラブを長年応援してきたというよりも、これから成長していくチームを共に支えていこうとする前向きな雰囲気が感じられました。
チームは比較的若い選手が中心であり、2009年に設立された比較的新しいクラブですが、すでに地域に根づき、多くの人々に受け入れられている印象を受けました。
ベルリン ― 多様性と対照的なクラブ文化
次にベルリンです。ベルリンの特徴は、多様性と対照性にあります。都市自体が多文化的であり、ヘルタ・ベルリンと1. FCウニオン・ベルリンという性格の異なるクラブが同じ都市に存在しています。ヘルタ・ベルリンは首都クラブとして広い層に開かれた存在であり、都市的で外部資本の影響も受けながら発展を目指しています。
一方、ウニオン・ベルリンは地域コミュニティとの結びつきが強く、労働文化を背景とした独自の価値観を持つクラブです。2008年には財政難の中、ファンがボランティアでスタジアム改修に参加したというエピソードもあり、クラブと地域の結束の強さがうかがえます。
このようにベルリンでは、サッカーが生活の中に深く根づいている一方で、都市全体として統一された文化ではなく、多様な価値観が共存している点が特徴的でした。

ミュンヘン ― 勝利と伝統の文化
最後にミュンヘンです。ここでは、成果や勝利を重視する文化が強く感じられました。私自身もファンであるFCバイエルン・ミュンヘンという巨大クラブの存在が、街全体に大きな影響を与えています。スタジアムでは「勝利が当然」という空気があり、ファンの誇りの高さも印象的でした。伝統、実績、経済力、選手層、育成体制など、あらゆる面においてトップクラブとしての地位が確立されています。国内リーグで2位であっても成功とは見なされないほど、勝利が強く求められる文化が存在していました。
街の人々もその価値観を自然に受け入れており、クラブを中心に都市全体が一体となって支えている印象を受けました。ミュンヘンのサッカー文化は、強さと伝統を象徴するものだと感じました。


実習を通して感じたドイツのサッカー文化
今回の実習を通して、ドイツのサッカー文化は、地域との結びつきや育成を重視しながら、規律や戦術理解が深く根づいていることを実感しました。また、都市ごとに文化的な特徴が大きく異なり、クラブが地域共同体の象徴として機能している点が印象的でした。
サッカーは単なるスポーツではなく、人々の生活や価値観と密接に結びついた存在であり、それぞれの都市に固有の文化を形成していることを学ぶことができました。
ドイツ語海外実習を振り返って
ヨーロッパ言語学科 ドイツ語専攻 1年次生 新田 乃彩
海外実習の概要
私は2026年2月15日から3月15日まで、ドイツ・ライプチヒで行われた海外実習に参加しました。本実習では、語学力の向上と現地文化の体験を目的として、約1か月間現地で学びました。クラスは8〜10人程度で、ドイツ語のレベルごとに分けられていました。授業では、これまでに学んでいない文法や語彙も多く、間違えることもありましたが、その都度先生方が丁寧に説明してくださり、自分がつまずきやすい点や表現の幅について理解を深めることができました。
音楽の街ライプチヒでの文化体験
ライプチヒはバッハやメンデルスゾーンゆかりの地であり、「音楽の街」として知られています。プログラムの一環としてゲヴァントハウスでオーケストラを鑑賞したほか、個人的にライプチヒ歌劇場でオペラ《椿姫》を鑑賞しました。
世界的に知られるコンサートホールでの鑑賞は非常に貴重な経験であり、特に印象に残っています。


週末の観光体験
週末には授業がないため、他の都市を訪れる機会もありました。最初の週にはポツダムのサンスーシ宮殿を訪れました。以前から訪れてみたい場所の一つであり、実際に足を運び、その美しさと歴史的背景に強い印象を受けました。

現地の食文化
また、現地の食文化にも触れることができました。スーパーでは日本に比べて安価で多様な商品が販売されており、焼きたてのパンを購入できることもありました。多くのパン屋(ベッカライ:Bäckerei)は朝早くから営業しており、登校前に立ち寄ることもできます。
ドイツは肉料理が豊富で、カリーヴルストやドネルケバブは街中で気軽に購入できる身近な料理です。
滞在最終日には、ドイツ最古のコーヒーハウスとして知られるカフェ・バウムを訪れました。1711年創業で、バッハやゲーテ、ナポレオンも訪れたとされる歴史あるカフェです。私はホットホワイトチョコレートとケーキを注文し、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりとした時間を過ごしました。ドイツではカフェで長時間過ごす文化が根付いていると感じました。



困難と学び
一方で、滞在中は困難を感じる場面もありました。言いたいことを十分に伝えられなかったことや、ベルリンからの帰路で列車が遅延し、乗り場変更のアナウンスが理解できず不安を感じたこともありました。しかし、そのような状況でも現地の人々は辛抱強く対応してくださり、拙いドイツ語でも理解しようとしてくれました。この経験を通して、自分の語学力の課題を実感すると同時に、今後さらに学びを深めたいという意欲が高まりました。
実習を通して得たこと
この1か月間の実習を通して、ドイツの文化や社会への理解を深めるとともに、日本との違いを客観的に捉える視点を得ることができました。ライプチヒ大学語学学校(interDaF)の先生方や共に学んだ学生、現地チューターの方々との出会いに感謝し、この経験を今後の学びに活かしていきたいと思います。