令和8年2月26日に京都経済センターに於いて開催された公益社団法人京都工業会(会長 村尾修ジーエス・ユアサコーポレーション会長)主催の「令和7年度 第4回 女性活躍推進懇話会」に、本学の在間敬子学長が特別ゲストとして招かれました。
n 開会・紹介
第2部で在間学長が紹介され、京都産業大学において1965年の開学以来初めての女性学長であるとの説明がありました。
n 在間学長スピーチ内容

1. 自己紹介とキャリアパス
· 研究者としての原点: 元々は理系(高分子化学)で、大手民間企業にて感光剤や炭素繊維の研究に従事していました。
· 分野の転換: 開発現場で環境問題に関心を持ち、技術と経済性の関わりを学ぶため、会社を辞めて大学院で環境経済学を専攻しました。その後、政策実行には企業経営の知識が必要だと感じ、経営学へと専門を拡げました。その後、社会シミュレーション手法も学び、経済学と工学という2つの博士号を取得しました。
· 大学での歩み: 京都産業大学に赴任して約20年、環境マネジメントを教えてきました。学部長、副学長等を歴任し、前任者の任期満了に伴う選挙で学長に選出されました。
· モットー: 管理職を含め「何でもまずやってみよう」というタイプで、しんどいことこそ楽しんで取り組む姿を見せることで、次世代が続くようにしたいと考えています。
2. 京都産業大学のビジョン
· 大学の精神: 1965年に荒木俊馬先生によって創設されました。創設時から本学が大切にしてきた精神は、分野を超えて知を繋ぎ、新しい価値を生み出す「むすびわざ」です。
· 現在の状況: 学生数約1万6000人、卒業生は約16万5000人を数え、10学部1学環と10研究科を擁します。産官学連携に注力しており、西日本私大で唯一のクライオ電子顕微鏡を導入するなど、高い研究力を誇ります。
3. DE&I(多様性、公平性、包摂性)の推進
· 課題の直視:「女性採用比率30%」などいくつか未達の目標があり、これらに取り組んでいくことが重要だと考えています。
· 具体的なアクション:
o 意思決定の場の改革: 3名の副学長のうち2名を女性にしました。これは数合わせではなく、実力のある人物だからです。またその結果、長年、男性のみで構成されていた常任理事会の女性比率が30%となりました。
o 教育への取り入れ: 全学生が受講できる「ジェンダー平等と多様性」の授業を来年度から開講します。
o グローバルな学び: ジェンダー平等先進国であるアイスランドの大学と連携できないか検討しています。
4. リーダーとしてのマネジメント論
· フラットな組織作り: 従来の「下から上がってきたものを承認する」スタイルから、実際に課題を議論する場へと会議の形を変えています。
· トップの姿勢: 経営(理事会)と教学(学長)が一体となり、透明性の高いマネジメントを行うことを重視しています。
· DE&Iの本質: 多様な背景を持つ人が意思決定の場にいることが、組織の活力に直結すると確信しています。

n 質疑応答・意見交換
- 数の力と変化について:
- 質問: 副学長の3分の2が女性になったことで、男性が発言しにくくなったことはないか?
- 回答: 1名の男性副学長は、自身がマイノリティになる経験を通して、視野が広がったと話しています。意思決定の場に異なる視点が入ることは、議論の質を変える大きな力になります。また、執行部としては、学長・副学長のみでなく常任理事会で意思決定するので、女性が多すぎるということはありません。これまで学長副学長や常任理事会は全員男性でしたが、誰も「男性が多すぎる」とは言いませんでした。なぜ女性が入ると「多い」と感じるのか、それがアンコンシャスバイアスなのです。
- キャリアの展望について:
- 質問: 昔から学長を目指していたのか?
- 回答: 上昇志向があったわけではなく、声をかけられた時に「とりあえずやってみよう」と思うタイプなので、そういう一歩を踏み出し続けた結果、学長に至っているということだと思います。ただ、学長になって、これまで以上に見える世界が広がり、変わってきました。
- 待遇の格差について:
- 出産・育児等により女性は昇任が遅れがちで、人事評価制度の課題がありましたが、本学では理事長もそうした問題を共有してくださり、理事長の強いリーダーシップのもと、新たな評価制度へと改革が進められてきています。


n 閉会挨拶
京都府担当者及びコーディネーターから、在間学長のリーダーシップへの感銘と、今後も企業・行政・大学が連携して、継続的に女性活躍とDE&Iを推進していくことの重要性が語られ、会は締めくくられました。