2026.01.30

「玉田玉秀斎氏が語るタイガー魔法瓶創業秘話【講談で学ぶ日本経済史(4)】」

経済学部の専門教育科目「日本経済史B」(担当教員:井奥 成彦 非常勤講師)にて、上方講談師・玉田玉秀斎氏を招いた特別講義が行われました。今回披露された演目は「タイガー魔法瓶創業者『菊池武範』物語」。同社の誕生の歴史を講談で披露いただきました。

(学生ライター 文化学部 3年次 向井 優)

上方講談師 玉田玉秀斎氏

講談とは「歴史の選択の瞬間」を描く物語

四代目・玉田玉秀斎氏(以下、玉秀斎氏)は、舞台やラジオなど多方面で活躍されている上方講談の第一人者です。講義の冒頭では、「人は日々さまざまな選択をし、その選択には必ず理由がある。その理由を物語として描くのが講談である。」と語り、講談の魅力と本質を紹介しました。

「タイガー魔法瓶」誕生の背景を講談で追体験

演目「タイガー魔法瓶創業者『菊池武範』物語」では、明治28年生まれの菊池武範氏が、どのようにしてタイガー魔法瓶を創業し、企業として発展させていったのかが語られました。この物語は、タイガー魔法瓶創業100周年の記念行事でも披露されたものだそうです。
物語では、菊池氏の過酷な丁稚奉公時代、魔法瓶との運命的な出会い、周囲の人々とのつながり、そして幾度も挑戦を続けた姿が臨場感をもって語られました。さらに、関東大震災を契機に広く知られるようになったタイガー魔法瓶の躍進など、歴史の流れを通して経済の動きも学ぶことができました。

「物語として学ぶ」という貴重な経験

「講談師、見てきたような嘘を言い」という言葉もありますが、玉秀斎氏のまるでその場に居合わせたかのような臨場感あふれる語り口に、学生たちは物語に没入しつつ、経済史を立体的に理解するという貴重な学びを体験しました。

今回の特別講義は、講談を通して日本企業の歴史を物語として楽しみながら学ぶという、普段の授業とは異なる学びの機会となりました。玉秀斎氏の語りによって、経済史に潜む「人間の選択のドラマ」が浮かび上がり、学生にとって印象深い時間となりました。