経営学部の専門教育科目「経営戦略論(事業戦略)」(担当:柴野 良美 准教授)では、経営戦略の中でも事業の目標達成のためにとるべき戦略について、さまざまな視点から学びます。今回は、株式会社BLOOM代表取締役の斉藤(矢野) 麻子氏をゲストスピーカーとして迎えし、キャリア形成やサステナビリティをテーマにした講義が行われました。
(学生ライター 現代社会学部 3年次 町野 航汰)
「価値」と「勝ち筋」を軸にしたキャリア形成
講義前半では斉藤氏のキャリアについて述べられ、その中から“価値”という単語をキーワードとし、自身の考え方をどのようにアップデートしていったかを説明されました。
大学卒業後に入社されたメルセデスベンツ社では、「商品の価値は人によって異なる」という視点を学ばれたそうです。価値を正しく理解し、それを基に戦略を立てることがマーケティングの“勝ち筋”になるという気づきが、後のキャリアの基礎になったと振り返られました。
続いてMBAを取得するために進学されたアメリカのダートマス大学タック校では、「挫折を味わいながらも、“個人の価値”と“個人の勝ち筋”について深く考える機会となった」と語られました。
その後、ルイ・ヴィトンジャパンにてマーケティング部門や新規事業を担当され、ブランドが積み重ねてきた歴史や文化を踏まえた「ブランドの価値とは何か」「その価値をどう伝えていくか」を考える経験を積まれました。
こうした経験の末、2008年にラグジュアリー分野に特化した株式会社ドラマティックを設立されました。「歴史が持つ資産は何か」「その価値を評価するのは誰か」「どのように価値を届けるか」という視点を大切に、事業を展開してきたと語ります。
その後、多数の企業で社外取締役を務めた後、2020年には株式会社BLOOMを創業され、消費者をサステナブルな行動へと導く取り組みに挑戦しています。
サステナビリティとは「未来の幸福をつくる活動」
講義後半では、斉藤氏が現在最も注力するサステナビリティについて学びました。
一般的には「持続可能性」と訳されるサステナビリティですが、斉藤氏はこれを
「現在と未来の世代が、より幸福に生き続けるための活動」と定義されました。この価値観は、個人や地域、国、そして世代ごとに異なるため、なぜ今サステナビリティが必要なのかを改めて考える重要性を説かれました。
気候変動を例に、
・異常気象の増加
・生態系の破壊
・資源の枯渇
・災害復興に伴う経済損失
など、社会に広く影響を与えている現状について説明され、サステナビリティが決して遠い世界の話ではないことを学生に伝えられました。
「当たりまえが変わるとき価値も変わる」
斉藤氏は講義のテーマを「当たりまえが変わるとき価値も変わる。価値が変われば勝ち筋も変わる」と掲げていました。
キャリア形成における価値の見つけ方、そして未来に向けてどんな行動が必要なのか。キャリアの積み方だけでなく、社会課題への向き合い方を考える貴重な機会となり、“自分の価値”をどのように見出だしていくかについても考えるきっかけになる授業でした。
講師紹介
斉藤(矢野)麻子氏
株式会社BLOOM 代表取締役社長
メルセデスベンツ、ボストン・コンサルティング・グループを経て、ルイ・ヴィトンに入社。ルイ・ヴィトンの上位顧客層構築の戦略立案部署のシニアディレクターを務めたのちに独立起業し、さまざまな企業のブランドマーケティング戦略の立案と実行を支援。現在は、株式会社BLOOMにて企業のサステナブル事業を支援する活動を行う。