2026.01.23

「ギリシャ・ローマ文化と仏教」(龍谷ミュージアム)の観覧を通じて東洋/西洋の文化交流について考える

2026年1月18日、文化学部国際文化学科 桑原 夏子 准教授の「国際文化基礎演習B」、「国際文化演習ⅠB」は、龍谷ミュージアムで開催中の「ギリシャ・ローマ文化と仏教」展を観覧しました。

現在のパキスタン北西部を中心とするエリアはガンダーラ地域と呼ばれています。ガンダーラ地域にはギリシャやローマといった西方の文化が伝わっており、そのためガンダーラ地域の仏教美術はギリシャ・ローマ文化の影響をとても強く受けているのです。一見離れた関係性に思われがちな「ギリシャ・ローマ文化」と「仏教」。両者の関係性のあり方について学びを深めるべく、龍谷ミュージアムを訪れました。

学芸員の岩田 朋子氏の特別解説で学びを深めました。

今回は龍谷ミュージアムのご厚意により、鑑賞前に学芸員の岩田 朋子氏からガンダーラ地域の歴史や文化について、そして展示の見どころについて特別解説を賜りました。解説には中学・高校の世界史で学んだ「アレクサンドロス大王」がキーパーソンとして登場。そしてギリシャ・ローマ神話に登場する怪力の神「ヘラクレス」が仏教の執金剛神と混同された作例があるという驚きの事実も紹介されました。岩田氏から「自分たちの目でぜひ確かめてほしい」と促され、ワクワクしながら展示室へ向かいました。

展示室には紀元前2世紀から紀元後5世紀を中心とするガンダーラ周辺作品がずらりと並んでいます。それらガンダーラ地域の仏像には古代ギリシャ彫刻で発展し、ルネサンス時代に再発見された「コントラポスト」が認められました。コントラポストとは簡単にいうと、両足で立ったときに右足に重心をかけて立つと左足の膝が前に出て、右腰が横に張り出し、ごくわずかに左肩が上にあがる、というポーズです。また仏像の髪型として、ブツブツ状の螺髪(らほつ)を連想しがちですが、螺髪ではなくウェーブがかった髪の仏像もあり、あるいは眼窩が窪み鼻が高く唇の厚い、彫りの深い顔立ちの仏像も多く展示され、これまでの仏像のイメージが覆されました。もちろん「ヘラクレスの姿をした執金剛神」も発見。見学を通し、アレクサンドロス大王の東方遠征によってユーラシア大陸の東西交流が加速化していったことをしっかりと学ぶことができました。

普段、京都で学ぶ私たちが身近に見ている仏教美術も、こうした東西交流の延長線上にあるものです。また私たちにとって遠い土地のヨーロッパの美術も、長い歴史のなかで何度もアジアからの衝撃にさらされてきました。西洋美術史を学ぶ桑原ゼミにおいて「西洋」と「東洋」の境界線はどこにあるのかという大きな問いを投げかけ、次年度以降の学びにつなげていくことになりました。

龍谷ミュージアムに常設展示されているベゼクリク石窟壁画復元図の前にて。西域の石窟寺院に思いを馳せながら記念写真を撮影しました。