現代社会学部専門教育科目「現代社会の諸問題B」は、現代社会における課題を専門家から直接学び、問題意識を養うことを目的としています。今回は、独立行政法人日本スポーツ振興センターハイパフォーマンススポーツセンターセンター長、国立スポーツ科学センター所長の久木留 毅氏をゲストに迎え、スポーツを通じて社会問題を考える講義が行われました。
(学生ライター 現代社会学部3年次 町野 航汰)

授業は、双方向形式で進められ、久木留氏は「ジェンダー、AI、環境など社会は今まさにターニングポイントを迎えている。学生の皆さんには、今何が必要なのか立ち止まって考える力が必要だ」と語りました。一見、社会問題とスポーツは無関係に思えますが、久木留氏は「そのようなことはない」と強調します。例えば、環境問題では、温暖化に伴う暑熱対策や雪不足による冬季オリンピック開催の危機など、スポーツの存続に直結する課題があります。
さらに、2025年度世界陸上大会を例に、サステナビリティへの取り組みを振り返りました。ユニバーサルコミュニケーションの徹底や観客のリテラシーの向上などは進んだ一方、飲食でのベジタリアンメニューの未導入など、改善の余地があると指摘しました。

講義後半では、「考え方を考える」をテーマに、『考えるための4原則』やロジカルシンキングなどの思考法を紹介。社会の前提は変化し続けるため、「昔はこうだった」は通用しない。だからこそ、一過性の学びで終わらず、未来に向けた準備が必要だと語りました。また、バックキャスティング(逆算的思考)を用い、10年後・20年後の自分の姿を想像しながら努力することを学生に薦めました。
講義を通じて、社会の問題を見つめる視点は一つでなくても良いと感じました。現代社会は複雑で、多様な問題が絡み合っています。その中で、スポーツを通じて国民の意識を変えることは、可能なのではないでしょうか。