現代社会学部では定期的に教員による「現代社会学研究会」を開催しています。
2025年度第4回研究会(12月24日)では、客員研究員のNguyen Thi Thanh Thao(グエン・ティ・タイン・タオ)氏が「ベトナム人労働者の視点から見る日本の多文化共生社会:技能実習生のライフストーリーに基づく考察」と題した研究報告をおこないました。

研究報告をおこなうタオ氏
タオ氏はベトナム国家大学ホーチミン市校人文社会科学大学講師です。2025年9月より国際交流基金の奨励金を取得し、加藤敦典教授(文化人類学、ベトナム地域研究)を受け入れ教員として現代社会学部に4か月間在籍、在日ベトナム人技能実習生の生活実態について文化人類学的な方法論を用いたフィールド調査を実施しました。
今回はタオ氏による4か月にわたる調査の成果報告がおこなわれました。タオ氏は、大多数の在日ベトナム人技能実習生が日本社会との接点を持たずに生活していること、技能実習生の経歴をみると学歴や日本語能力の高さと収入の高さが比例しないことなどを指摘し、自分たちのコミュニティで生活を完結させ、時間外手当などで手取りを増やすことに邁進する層と、収入は高くないものの就労以外の活動にも力を入れる層(こちらは少数)がいることを明らかにしました。
その背景には、地方の低階層出身で、日本での経験や学習が帰国後の社会上昇につながる可能性が低い層と、日本での経験や学習が帰国後の社会上昇につながりうる層との格差があるのではないか、といったことが議論されました。
京都産業大学はベトナムの主要大学とのあいだに学術交流協定を結んでいます。
両国間での学生交流もさかんに実施しており、両国間の研究・教育交流のさらなる進展が期待されます。