2025年11月16日、文化学部京都文化学科 マレス エマニュエル准教授の「京都文化演習ⅠB・ⅡB」を受講している3年生と4年生は、京都テルサで開催された「令和7年度 日本庭園学会 関西大会」に参加しました。当日の様子について、ゼミ生からのレポートをお届けします!
2022年からマレスゼミの3年生と4年生は、考古学者で本学の元教授・鈴木 久男先生の指導のもと、大原の来迎院という天台宗の古刹に残る旧善逝院庭園跡の発掘調査を行っています。昨年度をもって発掘調査がひと段落して、今年からは2031年に開催される予定の「聖應大師良忍上人第九百回御遠忌」に向けて旧善逝院庭園を一般公開できるように整備を始めました。
2023年10月26日に読売新聞で「京産大生 僧坊の庭遺構確認」、11月1日に産経新聞で「旧善逝院の庭園跡出土」という記事で初めて報道されました。また同年の11月19日に、初めてゼミ一同で日本庭園学会の発表に臨みました。今年は3年目になります。

2022年から鈴木久男先生の指導のもと、大原・来迎院に残る旧善逝院庭園跡を調査しています

整備計画を作成するに当たって、庭園を3区画に分けて考察を深めました
日本庭園学会ってどんな学会?
皆さんは学会に参加したことはありますか?学会と言えば、多くの人は広いホールで専門家たちが粛々と最新の研究成果を発表し、活発に議論する場を想像するのではないでしょうか。堅苦しいイメージをもたれがちですが、今回、私たちが参加した日本庭園学会はこのような雰囲気ではありませんでした。
日本庭園学会は、1992年の発足以降、造園学を始め、建築学や考古学、民俗学など多方面から日本庭園に関する研究を行っている学会です。実践智と思考智の両方による研鑽を重視しています。
日本庭園学会の関西大会は毎年秋に行われます。今年は「社寺境内と庭園の植栽整備―南禅寺・醍醐寺(下醍醐)を巡る―」をテーマとして、現地討論会と講演会及び研究発表会が開催されました。
4年生の先輩方が発表!
午前中の講演会では、醍醐寺三宝院の保存修理や流響院の整備と管理の現状が紹介され、旧善逝院の庭園跡の再生を目指す私たちにとって示唆に富む講演でした。紹介された調査方法や技術、庭園の規模や周囲の環境など違いも多かったですが、先達の皆様の経験に学びながら、私たちも歴史的な庭園としても、また観光資源としても、より良い整備ができるように精一杯努めていこうという気持ちになりました。
今回の発表で、マレス先生と4年生はこれまでの発掘調査の成果を報告し、今後の整備の方針と現場での進捗状況を紹介しました。調査に参加し、発表を聴講した3年生もこれまでの活動を思い出しながら、今後の展望に胸を膨らませました。

日本庭園学会の関西大会でマレスゼミが登壇するのは今回で3回目。
2023年から毎年、日本庭園学会の関西大会で調査の成果を紹介しているので、マレスゼミの発表を楽しみにされている学会員の方もいて、質問内容を配慮してくださり、また励みになる温かい感想を述べてくださいました。このように参加者同士の距離感が近く、私たち学生も疎外感を感じることなく講演会や研究発表会に参加することができました。
凱旋した先輩方にインタビュー!
研究発表会の終了後、登壇した4年生にインタビューをしました。発表直後にもかかわらず、落ち着いた様子で回答してくれました。
まず、発表を終えた感想について尋ねてみると、服部 洋太さんは「しっかり発表できていたかは分からないが、とりあえず終わって良かった」と安堵の気持ちを語りました。沖田 愛菜さんは「聞いている方の顔を見て発表できた」と振り返り、達成感を示してくれました。
次に、私たち後輩に向けた助言を求めると、中西 美空さんは「力仕事が多いので体力をつけてください」と庭園を整備するための準備を勧めてくれました。沖田さんは「貴重な庭の遺跡なので壊してはいけない。後のことを考えながら行動してください」と扱う際の注意を促しました。
また、この日は2024年度卒業生の川畑 和也氏も後輩の発表を聞きに来てくださいました。「私は一番最初から携わってきた世代です。今日の発表では発掘や整備の進捗状況がよくわかりました。今後に期待します」と感想を述べるとともに、「鈴木先生のように信念と情熱を持って頑張ってください」と後輩への激励の言葉を寄られました。

日本庭園学会・関西大会終了後のマレスゼミ。1列目は登壇した4年生(右端は卒業生の川畑和也氏)。2列目は現役の3年生。
2031年の一般公開まであと5年。遠いようで近い。近いようで遠い。皆で力を合わせて頑張ります!整備の進捗状況は引き続き報告しますので、お楽しみに!
(京都文化学科マレスゼミ3年生一同)