経営学部 ゲストスピーカー講義 日本経済新聞社 武類氏に学ぶ「日本企業と春闘」!「30年間変わらない日本の賃金」の衝撃
経営学部の「人材マネジメント論」(担当:篠原 健一教授)では、企業がどのように「ヒト」という資源を生かし、組織の成果に結びつけているのかを学んでいます。今回、「日本企業と春闘 ~労使関係から見る『ニッポンの賃金』~」をテーマに、日本経済新聞社の武類 雅典氏をゲストスピーカーにお招きし、オンライン講義を実施しました。その様子を取材しました。
(マネスタ・学生ライター 経営学部2年次 池田 治生)

講義で衝撃を受けたことは、日本の賃金が「30年間ほぼ変わっていない」という事実です。平均賃金は、アメリカが30年で1.5倍に伸び、2015年には韓国に日本は抜かれているというデータをグラフで提示され、これまでニュースでなんとなく聞き流していた「日本の賃金停滞」が、異常な状況であることが分かりました。
特に印象に残ったのは、「名目賃金(給与明細の金額)」と「実質賃金(物価変動を考慮した金額)」の違いです。「賃金が少し上がった」と思っていても、それ以上に物価が上がっているため、実質的な豊かさは目減りしてしまっています。 武類氏のお話から、春闘は単なる「賃金を上げてほしい」という交渉ではなく、日本の経済力や国力を左右する重要なテーマであることを痛感しました。
また、ニュースでよく聞く「賃上げ」の内訳についても詳しく解説されました。賃上げには、年齢や勤続年数で上がる「定期昇給(定昇)」と、給与水準そのものを底上げする「ベースアップ」の2つがあります。 物価が上がる中では、従業員からベースアップが求められますが、企業側もデフレ脱却や人手不足への対応として、優秀な人材を確保するためにベースアップに動かざるを得ない状況があることを学びました。

講義では、初任給が30万円を超える企業が増えているというお話もありました。就職活動を行う学生にとって、高い初任給は魅力的です。しかし、武類氏はこれからの働き方が、仕事の内容やスキルで評価される「ジョブ型」へ変化していくと説明されました。
私はこれまで「高い賃金をもらえれば良い」と考えていましたが、講義を通じて少し考えが変わりました。 欧米のように「生産性」や「スキル」が賃金に直結する時代において、ただ高い賃金を求めるだけでなく、「自分は何ができるのか」「どのような価値を提供できるのか」という視点を持つことが、これからの豊かさにつながるのではないかと感じました。
講義では、春闘の仕組みや日本の課題について、データを用いて分かりやすく解説され、AIの進化や人手不足など、社会が大きく変わる中で、自分のキャリアや「働くことの意味」を考えるとても良い機会になりました。これからは経済ニュースを見る目も少し変わりそうです。

オンライン講義を受講し、取材する学生ライターの様子