2025(令和7)年12月10日(水)、教育支援研究開発センター企画委員会において、2026(令和8)年度全学FD/SD研修会のテーマ検討に学生の意見を反映させることを目的に、本学学生9名が参加しました。企画委員会は、全学FD/SD研修会の企画立案および運営、授業手法の開発・改善の支援と推進、学生の主体的な学びを促進するための支援体制・環境整備などの役割を担っており、教員と事務職員で構成されています。
委員会では、企画委員と複数学部から参加した学生が4グループに分かれ、オンラインホワイトボードツール「Stormboard」を用いて、「① 学習や授業に対する困りごと・要望・希望」、『② ①の意見を基に「こんな研修会があればよい」というアイデア」について意見を出し合いました。
冒頭では、アイスブレイクとして自己紹介と「最近の学び」を共有し、和やかな雰囲気の中で意見交換を開始しました。
意見交換では、「大人数授業で学ぶ意欲を維持する難しさ」「小テストや課題が作業化し、学びにつながりにくい場面があること」「シラバスが専門的な表現で書かれており、授業の魅力や教員の思いが伝わりにくいこと」「学生自身の成長や到達度が見えにくいこと」「授業の実態を事前に知るための情報が不足していること」など、多様な視点から率直な意見が挙がりました。一方で、「授業内容の理解を深めるためには、丁寧な解説動画や補足資料が役立った」「学部を越えた学びの面白さに気づく機会がもっとあるとよい」といった意見も共有され、学生が日頃どのように学び、何に価値を感じているのかを教員、職員が知る良い機会となりました。
その後、企画委員と学生に分かれ、企画委員は意見交換会の内容共有や今後の検討を行い、学生は「もし自分たちが全学FD/SD研修会を企画するなら」というテーマで、仮の研修会のテーマと概要を大まかに企画する短時間のワークを行いました。
最後に、学生からワークの内容について発表があり、大きく2点の提案がありました。
1つ目は、「シラバス」と「授業の魅力」とのギャップを可視化する研修です。学生からは「教員の思い・面白さがシラバスに載り切れていない」という問題意識が示され、シラバスの記述内容と授業の魅力とのずれを学生の視点から確認し、シラバスの表現改善や受講後の「想像と違った」といった状況を減らすことを目的とした研修案が提案されました。教員にとっては、学生の関心ポイントや伝わりにくい箇所を理解する機会となり、シラバス改善のヒントになるのではないか、との意見がありました。
2つ目は、学生目線の「学びの掲示板」を構築する案です。学生は、シラバスが普遍的・専門用語が中心の表現になりがちで、履修登録の際に自分に合った学びをイメージしにくいと感じていることを共有しました。これに対し、「この授業はこういう学生に向いている」「他学部生が受講するとこういう学びが得られる」といった学生コメントを集約し、学部や学年などで絞り込んで閲覧する掲示板を構築することで、履修登録時に授業の特徴を具体的にイメージしやすくなるのではないか、また教員にとっても授業改善の参考情報として活用できるのではないか、と提案がありました。
最後に、企画委員長であり教育支援研究開発センター副センター長の国際関係学部 三田貴 教授から、「学生が全学FD/SD研修会の企画段階から参画する取り組みは、本学の特徴にもなり得る。今後の全学FD/SD研修会にどのように活かすか、継続して検討したい。」と締めくくりました。



