2025(令和7)年12月10日(水)に教職員および学生を対象としたアカデミックスキルセミナー「アカデミックスキルって何?」をスチューデントコモンズで開催しました。
本学教育支援研究開発センター長であり、生命科学部の佐藤賢一教授が講師を務めました。
セミナーでは、佐藤先生が翻訳を担当したザカリー・ショア著「大学での学びをハックする」を取り上げ、同書で提示されている「読む」「書く」「話す」「活動する」「研究する」という、大学での学びに関わる5つのスキルの概要を紹介しました。あわせて、「読むスキル」では主張とその根拠を短時間で把握する読み方や、批判的に読む視点、「書くスキル」では結論を早い段階で示し、そのエビデンスを示していく文章構成の考え方、「話すスキル」では聞き手を引き込み、学びにつながる内容を提供することなどについて説明がありました。
後半は、同書第1章(読むスキルに関する章)の一部を用いた読書ワークを実施しました。読書ワークには、「アクティブ・ブック・ダイアローグ(Active Book Dialogue)」と呼ばれる方法を用いました。参加者は章の該当箇所を分担して読み、「感想」ではなく「事実として何が書かれているか」に焦点を当てて内容を自分の言葉で要約し、配付された用紙に記入しました。その後、要約した用紙をホワイトボードに章のページ順に並べ、順番に内容を発表し合うことで、章全体の構成の流れを確認しました。
佐藤先生から、「発表後は魔法のように、面白いほどに話が繋がります。」と聞いていたため、参加者から「なるほど」と納得の声があがりました。
最後に佐藤先生からまとめとして、生命科学分野の論文を例に、論文のタイトルやアブストラクト、考察部分などを手がかりに主張と根拠を把握していく読み方が紹介され、本セミナーで扱った「読むスキル」の考え方が、学部・大学院での学習や研究にどのように応用できるかについて説明がありました。


