2025.12.11

『100話で心折れるスタートアップ』著者が登壇!「アントレプレナーシップと戦略」ゲストスピーカー講義

2025年12月4日(木)、経営学部の森口文博助教が担当する『アントレプレナーシップと戦略』の講義において、書籍『100話で心折れるスタートアップ』の著者であるえい氏をゲストスピーカーとしてお招きし、特別講義を実施しました。
えい氏は、ご自身の起業と失敗の経験を基に、「スタートアップの失敗とは何か」「どうすれば失敗を防げるのか」について、漫画家の視点も交え、ユーモラスでありながら、核心を突く視点をに語られました。

えいさん

えいさん

「失敗」とは、創業者の心が折れること

講義の冒頭、えい氏は「スタートアップの失敗とは、資金が尽きることではなく、創業者の心が折れることである」と定義づけました。「資金が尽きても、土日に働いて平日に事業を続ければそれは失敗ではない」としつつも、現実には「ニーズがない事業を作ってしまう」「採用を急ぎすぎる」といった典型的なミスによって多くの起業家が挫折すると指摘しました。 また、「失敗しても死ぬわけではない。借金を背負ったり病気になったりするかもしれないが、リスクは限定的である」と語り、過度に恐れず挑戦することの重要性を説きました。

今すぐ、小さく始めることの重要性

学生から多く寄せられた「いつ起業すべきか」「まずは就職して3年修行すべきか」といった疑問に対し、えい氏は「今すぐやるべき」と即答。「会社での3年間と起業に必要な筋肉は全く違う。起業に必要なことは起業しないと学べない」と断言しました。 具体的なアクションとして、「小さくすぐに始め、関係ないことをしない」ことの重要性を強調。「法人化する前に、個人レベルでニーズの確認はできる」とし、まずは身近な手段で検証(MVP:Minimum Viable Product)を行うようアドバイスを送りました。

「やるべき・やりたい・できる」が重なる領域を

事業選定の基準として、えい氏は「やるべき(市場ニーズがある)」「やりたい(情熱がある)」「できる(スキルがある)」の3つが重なる領域を狙うべきだと語りました。特に「やるべき(ニーズ)」の確認を怠り、自分の作りたいものを作ってしまうことが最大の失敗要因であると警鐘を鳴らしました。

えいさん

学生との対話:リアルな悩みに回答 

質疑応答の時間には、多くの質問が寄せられました。「グループワークでやる気のないメンバーがいる場合どうすべきか」という学生ならではの悩みに対し、えい氏は「無理に全員を巻き込もうとせず、まずはやる気のあるメンバーで進めてみるのも一つの方法です。取り組む中で、他の人も少しずつ関心を持ってくれるかもしれません。」とアドバイスを送りました。また、ストレスやメンタルヘルスに関する質問には、「事業が伸びていればストレスは減る。心を保つ唯一の方法は、事業を伸ばすことだ」と、起業家ならではのストイックなメンタル管理術を披露しました。
講義終了後も、えい氏との交流を希望する学生がInnovationラボに集まり、熱心に意見を交わす姿が見られました。

EPと戦略(えいさん)4

EPと戦略(えいさん)6