2025.12.11

吉川 美代子教授(元TBSアナウンサー)から教わる「熱量」を伝えるための方法

講義を担当した吉川 美代子教授

現代社会学部では、現代社会のさまざまな諸問題を取り上げ、各問題に精通する教員がオムニバス形式で講義を行う『現代社会の諸問題A・B』(1年次配当)を専門科目として開講しています。12月9日(火)に実施した『現代社会の諸問題B』では、現代社会学部客員教授で元TBSアナウンサーの吉川 美代子教授が講義を担当しました。

今回の授業では、AIが急速に発展する現代社会の実情を交えながら、特にコミュニケーションのありかたについてお話いただきました。印象的だったのは、人間が感情をもって語ることや書くことの意味についてのお話でした。例えば、現代社会であれば機械音声でかなり自然に原稿を読ませることができます。しかし、そこには話す人の感情が入っていません。ニュースを読むときでも、読み手として「悲惨なニュースだな」とか「こんないいことがありました」といったような想いをもって読まれた原稿には、自然と感情がこもり、ポイントを際立たせる語り方になるため、しっかりと相手に伝わるメッセージが生まれます。また、人間は相手がどんな人か(子どもなのか、お年寄りなのか、など)によって話し方を変えることができます。それによって、相手に伝わる話し方が自然と生まれてきます。文章を書くときでも、自分で調べて「へえ、そうなんだ」と思いながら書く文章は、しっかりと熱量がこもった文章になるはずだと吉川 美代子教授は強調されました。

学生に語りかける吉川教授
質疑応答の様子

講義終了後の質疑応答では「社会人などにコミュニケーションのアドバイスをするときにはどのようなことを強調しているのか」といった質問が寄せられました。質問に対して、吉川 美代子教授は、叱り方の工夫や、専門用語をなるべく使わずにどのようにコミュニケーションするかといったことについて話すことが多いと回答してくださいました。

本講義は、学業に励み大学生活を送る学生はもちろん、就職活動が本格化する学生の活力や学びにもつながり、貴重で実りのある時間となりました。


現代社会学部専門教育科目「現代社会の諸問題A・B」

『現代社会の諸問題A』(春学期開講)・『現代社会の諸問題B』(秋学期開講)は現代社会に生起するさまざまな諸問題について、その問題に精通する人や現場を知る人の講義を直接受けることにより、受講生各自が社会に対する問題意識を養うことを目的とした講義です。
「地域社会学」「人間社会学」「メディア社会学」「健康スポーツ社会学」に関わる多様なテーマをオムニバス形式で取り上げ、学部所属教員に加えて、各界から招いたゲストスピーカーも授業を担当しています。
※『現代社会の諸問題A』・『現代社会の諸問題B』では講義内容が異なります。