2025.12.02

経営学部 森口ゼミで特別講義!未来の選択肢を広げるキャリア戦略!〜20代で起業家になった卒業生が語る挑戦の軌跡〜

京都産業大学経営学部では、実践的なキャリアを持つゲストスピーカーから、学生たちが自らの未来を切り開くための具体的な戦略と、多岐にわたる選択肢を探る機会を提供しています。

今回、森口ゼミの授業で、本学経済学部の卒業生であるレジリエント株式会社の代表取締役 小林 史弥氏をお招きし、2年次生に対して特別講義を実施しました。当日は、経営学部1年次生がゼミ活動を見学できるイベント「オープンゼミ」も実施しており、多くの学生にとってキャリアを深く考える貴重な機会となりました。

大学の学びを原点に:京都企業支援から始まったキャリア

小林氏は、大学卒業後に京都商工会議所へ就職され、中小企業の経営支援や検定試験運営を担当し、京扇子や西陣織などの伝統産業の老舗企業の支援に関わりを持ちます。

例えば、京扇子の香りを保持する技術を応用したルームフレグランス開発など、伝統と革新を融合させる取り組みを支援しました。小林氏が就職先に商工会議所を選んだきっかけは、ゼミ活動を通じて多くの京都の企業と関わったことでした。企業が商品やサービスに込める思いに感銘を受け、そのような企業を支援したいと考えました。

20代で「選択肢を広げる」キャリア戦略

その後、商工会議所を退職後、小林氏は「20代のうちに選択肢を広げる」ことをテーマに以下のような計画を立て、キャリアを築きました。

  1. 海外MBAへの挑戦:TOEIC400点から3ヶ月で700点へスコアアップし、世界の価値観を吸収。
  2. 人材系企業で執行役員に就任:入社4ヶ月で管理部門を統括。
  3. 副業でフリーランス活動:商工会議所時代の業務を個人で受託。

小林氏は、「20代のうちは多くの経験をすることが大切であり、複数の計画を同時に実行することにも挑戦してほしい。苦労はあるが、それ以上に将来キャリアを築く際に幅が広がる」と学生にアドバイスしました。

起業家としての挑戦:レジリエント株式会社の立ち上げ

その後、小林氏はレジリエント株式会社を立ち上げます。
会社のパーパス(存在意義)は、「安心して挑戦できる環境を創造し、一人ひとりが夢に専念できる社会を実現する」というものです。具体的には、経営者が事務作業や書類作成といった会社の裏方業務に時間を取られるのは「もったいない」と感じたことをきっかけに、企業の裏側を支えるバックオフィス領域に特化したBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを立ち上げました。
現在、同社はフルリモートで全国・海外の多様な人材約100人が活躍しており、設立以来、約4,300万円の資金調達を実施しています。また、スタートアップ企業が投資家に向けて短時間でプレゼンテーションを行うピッチイベントでも受賞するなど、今勢いのある企業となっています。

学生へのメッセージ:今こそ挑戦の時

講演の最後に、小林氏は次の3つのポイントを強調しました。

1.興味・関心のあることに挑戦する

仕事に直接関係のない分野(芸術や趣味)でも、様々な経験を積むことが何かに必ず活きる。これまで触れてこなかった分野に挑戦する中で、「自分に合わないな」という発見や、「苦手だったけれど、意外と時間が経ったら面白いと感じる」といった気づきが得られる。

2.学生の特権(学生パワー)を活かす

学生という肩書は、経営者に会えるチャンスを広げる強力な武器であり、「学生パワー」として、起業やキャリア形成の挑戦において最大限に活用すべき。

3.会社と職種をセットで考える

就職活動の際、「働きたい会社」と「どの職種の仕事をするのか」をセットで考えることが、後悔のないキャリアプランに繋がる重要なポイントとなる。

講演後も、学生から次々と質問があり、小林氏は学生の質問に対し、熱心に答えていました。