10月11日(土)、12日(日)に山口県下関市で開催された「日本ピア・サポート学会」に、本学の学生ファシリテータ(以下、学ファシ)4名が参加しました。基調講演や大学生交流会など、様々なプログラムを通して、ピア・サポートの理解を深める貴重な機会を得ました。
大学生交流会では、まず「ピア・サポートとは何か?」という基本に立ち返る説明があり、「サポート」と「レスキュー」の違いが明確に示されました。学ファシたちは「ファシリテーション」と「サポート」の違いについても自ら考えを深め、真剣な表情で耳を傾けていました。
その後の交流タイムでは、全国から集まった学生たちが積極的に関わり合い、笑顔あふれる時間を過ごしました。初対面とは思えないほど打ち解けた雰囲気で、会場全体が温かく活気に満ちていました。
また、自主シンポジウムにも参加し、日ごろ活動を共にする教職員に加え、この4年間サポーターとして研修を支えてくださった外部ファシリテータと協働して発表し、自分たちが日ごろどんな活動をしているのか、どのようにして安心できる場づくりをしているのかについて、学ファシたちは一人一人の経験をもとに丁寧に語りました。
その中では、活動のやりがいが自分自身にとってどんな価値を持っているのか、またその価値がどのように育まれてきたのかという思いも共有されました。さらに、活動の中で直面する悩みや葛藤についても率直に触れながら、仲間とともに試行錯誤を重ねてきたプロセスを振り返ることで、ファシリテーションとピア・サポートの奥深さと可能性を改めて感じる時間となりました。
今回の学会は、参加した学ファシにとって知識の習得だけでなく、人とのつながりや支え合いの大切さを実感する心温まる経験となりました。今後の学ファシ活動にも、今回の学びが活かされることを期待しています!
参加した学ファシの声(学会終了後のリフレクションレポートより一部抜粋)
■基調講演や大学生交流会、ワークショップ、分科会等に参加した感想
- 学生ファシリテータとして初めて学会に参加させていただき、非常に充実した時間を過ごすことができました。特に大学生交流会では、他大学の特色ある活動内容や運営 上の工夫について伺うことができ、大きな刺激を受けました。これまで自分たちのチーム内だけで活動していましたが、全国には多くの仲間がいるのだという心強い「つながり」を感じられたことが、今後の活動への大きな励みとなりました。
- 普段行っているファシリテーションをより概念的に相対化することに繋がった。講演やワークショップに参加して、「ピア・サポート」について学んだ。「ファシリテーション」と「ピア・サポート」の共通点と相違点が分かった。改めてファシリテーションの考え方を見つめ直し相対化できたことで間接的に活きると思った。
■学会参加を通して学んだこと・気づいたこと
- 基調講演でUDLの考え方を学べたのが良かった。growth mindset(※1)とUDL(※2)の違いとか。学習者を変えるのではなくて、学習環境を変える。環境を変え、プログラムをすることで自然と変化していく。ファシリテーションとピア・サポートはまた違うものなのだと思った。似たようなところもあるが、お互いに大事にしているものが違っているような感じがした。ピア・サポートはサポートする意識が強いように感じた。サポートの過剰提供も毒である。行使するための正当性がないとネガティブにもさせてしまう。
- 当日のパフォーマンスだけでなく、そこに至るまでの過程で先輩として、後輩たちが普段通りの力を発揮できるように積極的にコミュニケーションを取り、安心して意見を言えたり、緊張を和らげる雰囲気を作ることも重要な役割だったと気付きました。個人のスキルだけでなく、チームを支える力をもっと磨いていきたいと改めて学びました。
(※1)growth mindset … 自分の能力は努力や学習を通じて成長・向上するという信念や考え方のことを指します。本学会では、ピア・サポートを支える考え方のひとつとして紹介されました。
(※2)UDL … Universal Design for Learningの略称です。本学会ではgrowth mindsetが育つための「環境的な支えを提供する」として、ピア・サポートとのつながりを示されました。
学生ファシリテータ(学ファシ)とは
F工房とともに「指導型」から「支援型」の教育環境の実現に向けて活動する学生スタッフです。
例えば、授業やイベント等では、受講生や参加者の安心・安全をつくり、意欲を引き出すために、アイスブレイク(緊張をほぐすためのワーク等)の進行や、互いに本音を話し合える対話のサポートなどを通じて「学生の主体的な学び」を支援します。学ファシ活動は、単位や給与等の発生しないボランティアです。
※ファシリテータとは:グループ活動などがうまく運ぶよう支援する人のことです。
主体的な学びの場づくりはF工房にご相談ください!
~現在、第16期は85人で活動中~
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学ファシ広報メンバーが学ファシの存在を多くの人に知ってもらえるよう自分たちの活動の様子などを投稿しています。