2025年11月、京都市の大光寺で開催された「耳祭り」において、京都産業大学経営学部3年次 更屋 大時さん(森口ゼミ)がフライドポテトの屋台を出店しました。この挑戦は、単なる模擬店ではなく、ゼミで学んだ知識を実践に移した価値ある取り組みです。
キッチンカーから屋台へー 計画変更の背景
更屋さんは2年次生の秋学期にフライドポテトのキッチンカーで出店することを目指し、京都産業大学イノベーションセンター主催のビジネスプランコンテストに申込み、そこで自身の計画を発表しました。しかし、初期費用の高さや出店場所の確保といった課題に直面し、一度は計画を断念します。
そんな中、同コンテストで4年次生の別のチームが「屋台の活用」をテーマにしたビジネスプランを発表しました。更屋さんはビジネスプランコンテスト終了後、彼らとの交流を通して、屋台出店の魅力を教わるなど、そのアイデアに触発され、屋台という低コストかつ柔軟な出店方法に可能性を見出しました。


父の技術とゼミでの学びが支えた挑戦
フライドポテト専用の屋台は、大工の職人の父親の助けを借りて、自力でフライドポテト専用の屋台を制作しました。これにより、初期費用を大幅に抑えることに成功しました。また、ゼミの指導教員の経営学部 森口 文博助教と大光寺副住職の河村 英昌氏とのつながりから、耳祭りでの出店者募集の機会を知り、今回の出店が実現しました。
さらに、更屋さんは2年次生のゼミで輪読した「エフェクチュエーション理論」の5原則を実践に活用しました。
- 手中の鳥の原則:自分が持っている資源(父の技術、ゼミでの知識)を最大限活用
- 許容可能な損失の原則:リスクを最小化し、屋台という低コストの選択
- クレイジーキルトの原則:4年次生との交流から新しいアイデアを取り入れる
- レモネードの原則:キッチンカー断念という「逆境」を新しい機会に変える
- 飛行機のパイロットの原則:自らの行動により未来を創り出す
学びを実践にー 経営学の価値を体現
フライドポテトは、市販の冷凍ポテトではなく、じゃがいも・ポテトが大好きな更屋さんが研究に研究を重ね、仕込みからこだわった「外はサクサク、中はホクホクの究極のフライドポテト」に仕上げました。このこだわりは、ゼミで学んだ経営戦略における差別化を意識したものです。
結果、耳祭り当日、フライドポテトは盛況で完売することができました。今回の取り組みは、ゼミで学んだエフェクチュエーションや経営戦略の理論を現場で活かすという、経営学教育の一つの形を示しています。更屋さんの挑戦は、知識を「使える力」に変えることの重要性を教えてくれます。今後の更屋さんのさらなる活躍を期待しています。


