文化学部2年次生必修科目である「文化学部の学びとキャリアA」の第10回授業にて、「社会で活躍する卒業生たち」と題し、3人の文化学部の卒業生が登壇。文化学部の学びが今の仕事にどう繋がっているかを語っていただきました。2年次生たちにとって、3年後の自分たちの姿を考える良い機会となりました。
(学生ライター 法学部 3年次 山川 諒大)
登壇されたのは京都文化学科英語コミュニケーションコースを卒業し、現在は株式会社阪急トラベルサポート添乗員の若林 みおさん、国際文化学科総合文化コース卒業後、現在は株式会社美手紙CEOを務める池田 光さん、国際文化学科日本文化コース卒業後、現在は本学広報部に勤務されている藤田 紗英さんです。講義は質問に対して、皆さんが順番に回答していく形式で進められました。
大学時代の文化学部での学び
最初に「大学時代の文化学部での学び」について質問されました。この質問に対して、藤田さんは大学では留学することを目標とし、多くの国の人と交流を考えていたそうです。吉野 秋二ゼミに所属し寺社仏閣について学び、2年次からは川端康成の勉強をしていたと答えました。若林さんは通訳になることを高校時代から目指しており、本学で「京都市認定通訳ガイド」の資格を取れることを知り、入学されたそうです。大学時代はカナダへの留学や、学生ファシリテーターとして活動するなど積極的に活動されていました。比較文化論を研究し、卒業論文では当時、コロナウイルスが蔓延していたことからコロナと観光について書かれたとのことでした。池田さんは近藤 剛ゼミに所属し、中国と日本の文化的背景について研究されていました。毎日のように行われたディスカッションで鍛えられたリサーチ力は現在の仕事に生きていると語り、中国と日本の文化性の違いを学んだことは現在の事業に繋がっているとのことです。
仕事に就くまでの経緯について
次に仕事に就くまでの経緯について質問されました。藤田さんは社会人として、3年働いたのち、ニュージーランドで1年半異文化交流に取り組まれました。その後、縁があり、本学広報部で働くこととなりました。藤田さんは「就職したからゴールではない。就職したあともキャリアは続く。一回キャリアを止めて、他のキャリアへ行く道もある」と力強く言われました。若林さんはコロナウイルスの影響でガイドの道は厳しく、旅行がタブーとされる世相の中で、自宅待機の日々が続きましたが、コロナウイルス蔓延が収束していくにつれて、国内ツアーからスタートし、現在は海外ツアーのガイドを務めています。池田さんは新卒入社した3か月後、自分のやりたいことへの思いが強まり、周囲からは反対の声もありましたが退職し、起業されています。
仕事のやりがいについて
次に仕事のやりがいについて質問されました。藤田さんは本学広報部に転職されて間もないため、新しい職場に慣れるために日々奮闘していると答え、少子化が進む中でいかにして本学へ学生にきてもらうことができるか日々考えているとのことでした。若林さんはいろいろな国に行けることが仕事の魅力と語った上で、仕事の苦労話として、ガイドとして、知らない国であっても知らないと思われてはいけないため、しっかりと下調べをした上でもなお自信がなくても、ガイドとして自信を持って振る舞うことを心掛けているそうです。池田さんは人・モノ・コトと日々変化していく価値観の中で、売れるサービスを作る難しさとやりがいを感じていると語られました。
また学生から寄せられた質問に対しても回答していただきました。広報に興味がある学生からの質問に対して、藤田さんはいろいろなことに興味を持つことが重要だと語り、広く知ることでトレンドを把握することができると語られました。
英語力を高めるアドバイスを求める質問に対しては、日々気付いたものごとを「これって英語で何という?」と思考する癖をつくることが大事。難しい英語を使わず、簡単な英語で訳しても問題はないとのアドバイスがありました。
不安と向き合う方法を求める質問には、池田さんは「行動あるのみ。動くしかない」とアドバイスされました。若林さんは「外的要因と内的要因を考えた際に、自分にできないことはきっぱり諦めてよい、やれるだけやって、それで駄目なら諦める」と自らのマインドを語りました。藤田さんは「不安は悪くない。不安に思うほど真剣に悩んでいる」と将来に不安に思う学生に寄り添ったアドバイスを送られました。
卒業生から応援のメッセージ
最後に受講した学生たちに対して、各人から応援のメッセージが送られました。池田さんは「学生では分からないことが多いと思う。行動あるのみ」、若林さんは「興味のあることを追いかけてほしい」、藤田さんは「今、自分の好きなモノ・自分の好きなコトを大切にしてほしい」とそれぞれの思いが伝わる熱いメッセージで講義を締めました。
講演終了後は長い時間、学生たちに向き合ったくださった卒業生たちに対して、感謝の思いを込めた盛大な拍手が送られました。
主にまだ就活活動を始めていない2年次生へ向けた授業でしたが、3年次生である私にも胸打つ言葉が多々ありました。就職活動する中で抱えることとなる不安。不安に取り込まれ動けなくなることも多々あります。ですが、とにかく行動すること、やりきること、自分の本当に好きなことを大切にするという人生を切り開いていく上で大切なことを再認識できた時間でした。多くの学生にとって、今後の人生について考える貴重な時間であったと思います。