京都産業大学の学生地域安全推進隊「サギタリウスチーム」は、京都府北警察署と連携し、夏休みを前に若者を狙う犯罪への注意喚起を目的とした啓発イベントを神山ホールロビーにて開催しました。続いて開催されたアッセンブリーアワーでは、北警察署より各課長と係長が登壇し、薬物乱用や交通安全、SNS犯罪など多岐にわたるリスクに対する講演や体験型企画を通じて、学生の安全意識向上を図りました。
(学生ライター 文化学部3年次 向井 優)
現在、サギタリウスチームには29人の学生が参加しており、学内での防犯活動や地域との連携を通じた啓発活動など、積極的に活動しています。今回、アッセンブリーアワーの来場者に対して薬物乱用防止を呼びかけるチラシやティッシュを配布し、パネルの説明をするなどして、犯罪の誘惑に対する警戒を促しました。
同日に開催されたアッセンブリーアワーでは、北警察署長の松居氏より、「安全・安心な大学生活を送るために」と題した講演が行われました。「情報が溢れる現代社会において、その真偽を見極める判断力や、幅広い知識に基づいて情報を吟味する力が重要である。」と語られました。
続いて、交通課長の西原氏より、「大学生のための交通安全講座」をテーマに講演がありました。大学生の交通事故の中で最も多いのはバイクや原付といった二輪車における事故であり、亡くなられた方の多くが顎ひもを外した状態であったことから、顎ひもを正しく着用することの重要性が強調されました。さらに、来年4月から自転車の交通違反に対し反則金が課されることに関しても言及され、「今のうちから安全意識を高め、正しい知識を身につけておくことが重要だ。」と述べられました。
アメリカンフットボール部とウエイトリフティング部の学生が登壇し、飲酒状態の視覚を疑似的に再現する「飲酒ゴーグル」を使用した実演も行われました。ゴーグルを着用した状態での歩行やキャッチボールではボールを取り損ねたり、まっすぐ歩けなかったりする様子に、会場からは笑いが起こる場面もありましたが、飲酒による判断力の低下や視野の変化を実感できる、学生の関心を集めた実演となりました。体験した学生からは、「視界が揺れる」「遠くにあると思ったものが近くにあるなど、距離感が異なる」といった感想が寄せられ、飲酒運転の危険性を改めて意識する貴重な機会となりました。
続いて、生活安全課長の大槻氏からは「犯罪被害に遭わないために」をテーマに、さまざまな犯罪の詳細や対策方法について述べられました。
・鍵のかけ忘れによる自転車盗難被害の増加
・SNS上でのロマンス詐欺、リベンジポルノ的画像流出の危険性
・国際電話を悪用した特殊詐欺
・エスカレーター等での盗撮
・闇バイト
特に、国際電話からの特殊詐欺については、申し込みをすることで国際電話を停止することが可能であることが紹介され、祖父母など身内に対し、私たちから声をかけることで被害を防止できる可能性があることが伝えられました。
続いて、刑事課係長の門田氏より、「薬物乱用防止対策について」と題し、主に薬物の詳細や間違った認識について講演いただきました。
「大麻が体に良い、少ない量や一回の使用では影響がない、などの情報は全て間違いである。」と強調された上で、そういった情報に触れやすく惑わされやすい学生に対し、常に注意を怠らず、自分自身を守る意識を持つよう呼びかけられました。薬物は、人生そのものを一瞬で台無しにする可能性があることから、決して軽く見てはいけない問題であると強調されました。
最後に、地域課係長の田原氏より、「巡回連絡の協力依頼」と題し、地域の安全を守るため警察と連携する意義の説明がありました。
巡回連絡とは、警察官がその地域に多い犯罪の傾向や、それに対する防犯活動の実態を正確に調査し把握する目的で行われ、地域の安全を守るために必要不可欠な取り組みのことです。会場にはこの活動を知らない学生も多く見られましたが、その意義が周知されたことで、協力への意識が高まったのではないでしょうか。
今回の講演を通じて、私たち大学生の身近に潜むさまざまなリスクについて、改めて意識することができました。みなさんも日々の生活を振り返り、気の緩みがちな部分に改めて目を向け、不確定な情報には安易に飛びつかず、しっかりと吟味していくことが、安心・安全な大学生活へとつながっていくのではないでしょうか。