「アジア言語研究演習Ⅰ」今西ゼミで、ゼミ活動の一環として在留外国人が多く暮らす愛知県・名古屋市を訪れ、技能実習生への渡日後研修を行っている日本語学校(Sachi International School)、在留外国人が集住していると言われている九番団地、そしてその周辺を見学しました。
日本語学校では、フィリピン出身で日本にやって来たばかりの介護の技能実習生の会話パートナーとして、研修での日本語学習活動(防災センターでの訓練の振り返り、防災への備え、避難訓練についての質疑応答、フィリピンのお薦めの食べ物や観光地の紹介など)に参加しました。また、日本とフィリピンのお菓子を囲んでのティータイムでは、笑顔いっぱいの国際交流を行いました。
その後の九番団地周辺の見学では、街を散策しながらスーパーの品揃え、日本語とポルトガル語表記の看板の多さを実感しつつ、多文化共生の現状や課題などについての考えを深めました。
参加者の声より
- 私たちと同い年、あるいは年上の方々が、日本について真剣に学ぶ姿勢が印象的でした。日本では、真剣にハキハキとした姿勢を取ることに恥ずかしさを感じている学生が多いため、彼らの姿勢を見て刺激を受けました。また、お互いの共通点を見つけ話が盛り上がった時は、とても嬉しい気持ちになりました。
- 様々な外国文化や、日本に暮らす外国人の暮らしの形に出会い、異文化が日本の街のなかに収まっている不思議を思い、しかしそこから想像できる苦労や郷愁の念にやはり切なくもなりました。そんな彼らを支えるものが私たちの唯一支え得る日本語能力であれば良いと感じます。
- 大学で身につけた「やさしい日本語」の知識を活かして、伝わるように工夫して会話をすることはとても実践的な学びになりました。また、日本語学習を始めてまだ日が浅いフィリピンの皆さんと意思疎通を図る中で、ジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションの重要性について改めて気づくことができました。
- 九番地に行った際は住宅地の敷地の広さはあったものの、ゴミの出し方や物の購入など、日本の文化に合わせて生活しなければならないところが日本に住むことの大変さを感じた。
- 最初はうまく話せるか不安だったが、実際に会話をしてみると、言葉以外のやりとり(ジェスチャーや表情)も助けになることがわかった。外国人の方にとって「やさしい日本語」が大きな助けになることを体感でき、日本語を教える立場としての責任も感じた。