2025.07.24

文化学部・梶原洋一准教授も執筆した研究書『聖人崇敬の歴史』が刊行されました!

6月、本学文化学部の梶原 洋一 准教授も分担執筆した池上俊一・河原温編『聖人崇敬の歴史』が名古屋大学出版会より刊行されました。本書はキリスト教における聖人(聖者)に対する信仰の歴史を、西ヨーロッパに限らずロシア・東欧、南北アメリカ、アジア、アフリカを通して通覧する、総勢25名の研究者が参画した画期的な研究成果です。
この中で、梶原准教授は「聖人名と聖人暦」と題する一章を担当しました。本稿では、ジョン、ジャン、ジョヴァンニ、ヨハンといったような聖人に由来する名前(この場合は洗礼者ヨハネや使徒ヨハネ)がヨーロッパ各国で一般化し、その結果、欧米にファーストネームが同じ人がとても多い、さらに元々はキリスト教とは関係ない「異教」の祝日を「キリスト教化」するために聖人の祝日が次々に作られたために一年中どの日をとっても何かしらの聖人の祝日にあたっている、という今日まで続く文化が生まれた歴史的経緯を古代・中世から説きおこして丹念に追いながら、聖人という存在がヨーロッパの人々の心に深く根付いていることを説得的に示しています。