全学部を対象とした「全学ゼミ対抗ディベート大会」は経済学部の主催で2012年から開催し、第14回目となる大会が2025年6月25日(水)に5号館で開催されました。
ディベート大会は、全学部の2・3年次生で演習(ゼミ)に所属する学生を対象に、1チーム4~8人(最低3人)でエントリーを受け付けており、賛否両論の社会的時事問題を論題に肯定側または否定側に分かれチーム対抗で討論する機会を設けたものであり、ディベートを通じて問題の本質を見抜く力と論理的に説得する力を養うことを目的としています。
今大会の論題は、(1)「価格高騰の対応策としてコメの輸入関税を撤廃すべきである」、(2)「オンラインカジノなど海外サーバーで行われる違法行為を取り締まれるように日本の当局のネット監視・規制の権限を強めるべきである」、(3)「日本政府は国内の半導体企業(ラピダスなど)に対して積極的に補助金を出すべきである」の3つで、新聞等で報じられているような話題性の高いものでした。
今年度のディベート大会には、経済学部から23チーム、総勢120人の学生が参加しました。開会式で大会世話役の経済学部 飯田善郎教授の挨拶の後、各チームは対戦会場に分かれ、全12試合の熱い戦いを繰り広げました。
大会に参加した各チームからは、それぞれが志望した論題の肯定側・否定側の視点に立って論題の本質を真剣に考え、チームの主張を根拠づけるため文献、情報やデータ等を収集・分析し、傍聴者を説得するために図や表を用いてわかりやすく説明するための入念な準備・練習を行ってきた様子がうかがわれました。
ディベートではチームの主張に説得力を持たせるためには論理的に説明することが必要であるとともに、相手側の主張の本質と弱点・問題点を見抜き、これを自身のチームの主張が有利になるように組み入れられることが必要になります。この結果、票決において、大差をつけて勝敗を決す対戦もあれば、僅差で勝敗を決す対戦もありました。対戦終了後の各チームからは、やり切ったことによる達成感とともに、勝利したことによる喜びや敗北したことによる悔しさの表情などが見られました。
閉会式では、主催者である加茂知幸経済学部長より、ヘンリー・フォードの格言である「成功の秘訣は、何よりもまず、準備すること」(Before everything else, getting ready is the secret of success.)を用いて、ディベート大会に向けて入念に準備することの意義を述べられたとともに、勝利者チームへの祝辞と各チームの努力は称賛に値するとしてメッセージをおくられ、勝利チーム12チームには賞品の授与が、参加者全員に参加賞が提供されました。
ディベートを通して相手と対戦することによる省察を通じて個々人の知や学びを深められるとともにゼミ仲間の結束を深められることが醍醐味です。次年度は、より多くの学部からより多くのチームの参加により、自らの将来の糧となる大会となることを期待いたします。