2025.07.08

京都から宇宙へ、京都航空宇宙産業ネットワークと包括連携協定を締結

宇宙ビジネス分野における人材育成と地域産業の振興に向けて

2025年7月4日、本学は、京都府内のものづくり企業で構成される「京都航空宇宙産業ネットワーク(KAIN)」と、宇宙ビジネス分野における人材育成と地域技術の活用を目的とした包括連携協定を締結しました。

本協定は、宇宙ビジネス分野における人材の育成、産業界との技術交流、教育研究の高度化、地域貢献の促進を目的とするもので、大学と地域産業が連携して宇宙産業の発展に寄与することを目指します。

在間敬子学長と植月邦彦代表(株式会社寺内製作所代表取締役社長)

創立60周年を機に、京都から世界を視野に入れた宇宙ビジネス教育を推進

本学は創立当初より、「文理融合」や「産学協働」を教育・研究の基盤として掲げ、社会とともに学びを展開してきました。今回の協定は、神山宇宙科学研究所をはじめとする研究基盤を活かし、宇宙産業を支える実践的な人材を京都から輩出するための取り組みです。

説明会では、在間 敬子 学長が「京都という地域資源を活かし、企業との人材交流を進めることで、新しい宇宙産業の創出につなげたい」と挨拶。続いて、神山宇宙科学研究所の河北 秀世 所長が、宇宙産業を取り巻く国内外の動向や人材不足の現状に言及し、「学術と産業の連携によって、基礎研究から社会実装まで一貫した人材育成が重要」と協定の意義を説明しました。

協定締結に伴う説明会の様子
河北秀世(理学部教授/神山宇宙科学研究所所長)

地域技術と最先端研究の融合による新たな学びの創出

KAINを代表して登壇した副代表の杉本卓也氏(株式会社KOYO熱練 代表取締役社長)は、「学生の柔軟な発想や新しい視点が、企業の変革にもつながる。今回の連携を通じて、地域と宇宙を結ぶネットワークを築きたい」と述べ、大学と企業の双方向的な連携への期待を示しました。

杉本卓也副代表(株式会社KOYO熱錬代表取締役社長)

今後の展望:PBL型授業や展示会共同出展を視野に

本協定に基づき、以下の取り組みが順次進められる予定です。

  • 課題解決型学習(PBL)形式による新たな授業の実施
  • 宇宙産業関連展示会への学生と企業による共同出展
  • 社会人を対象とした大学院でのリカレント教育・リスキリング機会の提供
  • オープンラボの共同活用による技術交流と研究開発の促進

次代の宇宙産業を担う人材を、京都で育てる

本学では、神山宇宙科学研究所を中心に、近赤外線高分散分光器「WINERED」や超小型衛星関連機器の開発、太陽系天体の観測研究など、多様な宇宙関連の研究に取り組んでいます。これらの活動は、JAXAや民間企業との連携のもと、実績を積み重ねてきました。

今回の協定を機に、京都航空宇宙産業ネットワーク(KAIN)との協力体制を築き、PBL形式の授業や企業との共同活動を通じて、地域企業の技術や現場とつながる学びを教育・研究に取り入れながら、宇宙ビジネスの現場で力を発揮できる実践的な人材の育成を進めていきます。

本学はこれからも、教育と研究を基盤に、地域や産業界と連携しながら、京都から宇宙産業の発展に貢献していきます。

京都航空宇宙産業ネットワーク(KAIN)神山宇宙科学研究所